ハンケチではなくバンダナ用意である

 大っ体毎年この季節になると今年の夏もレジャー企画皆無、遊興費皆無、有閑マダム皆無、若ピチの彼女皆無などと己のジリ貧生活をひと夏分とっとと予見してクダを巻くパターンが。多分毎年そんなこと書いてるんだろうな今の時期と思うだけで実際の拙宅にはそれらを振り返る為のパソコン機器がありませんの。
 でもまァ手書きの日記帳ならばここ七年分ほどたまっている。ちょっと去年の夏を振り返ってみる。が、ほとんどアイスコーヒーとアップルパイ、昼はタンタンメン、スーパー銭湯へ、ビール、ピーナッツなどと食い物のことばかり走り書きしてあるページが大半である。大っ体毎年六月中旬辺りからこのようなバテバテ日記が続くようだ。
 夏のレジャーといえば去年で言えば佐々木亜希子女史の活弁ライブに出かけたあの夜か。日比谷DEPTHも閉店してしまった訳なのだが考えてみりゃ佐々木亜希子女史のファンになってライブに行かねばと思い立たなきゃ日比谷のカフェバーなんぞ一生足を運ばなかったかも知れない私のような者は。三十面下げて小さな冒険してたのだ案外去年は。
 他に夏のレジャーといえばやはりありました新宿ニューアート。スペシャル水着大会、夏だ!水着だ!オッパイだ!を観に行っております。トップステージは井上千尋で確か曲は「愛よりも青い海」だった。上々台風の。そんなんでけっこう胸躍ったり。そして今年はいつどの辺りで夏気分をエンジョイするつもりかと言えば。多分時期は夏だ!水着だ!オッパイだ!と同時期の七月後半で場所は佐々木亜希子女史の活弁ライブにも通った渋谷になるのではと。
 7月23日よりシネセゾン渋谷で公開される山下敦弘監督作品「リンダ リンダ リンダ」を観に行くことのみがこの夏の一大イヴェント、メインエヴェントになりそうな予感大。後は引き続きバテバテ日記でしょうな。そんなジリ貧ダイアリーは完全に見透けた上で「リンダ リンダ リンダ」に打ち震えてみたいと。山下監督は三十前に学園ドラマに取り組めてラッキーだったのでは。「セーラー服と機関銃」のようにボチボチおじさんな新鋭監督と弾ける若さの大型新人女優らのガチンコ対決がスクリーンに拡がるであろう期待は今から高まる。
 ひょっとすると昨今話題の家をあきらめた私財のすべてを投入してお目当てのアイドルを追っかける四十代サラリーマン軍のようになってしまうかも。ただの文化祭のコピーバンドのドタバタ振りを描いただけのローカル青春映画だとは百も承知だのに。そうですとも、青春は今や指をくわえて眺めるだけのもの。そうですとも。