股間には豪ちゃんマークが輝いていた

2月24日、『おいら女蛮(すけばん)』(06年 キングレコード)をDVDで観る。監督、井口昇の原作は永井豪ダイナミックプロダクション。『スケバン刑事』の原作は読んだことなくても『おいら女蛮』は読んでいたような。女蛮が対立グループのリンチに合うとき確かおっぱいもおしりもあって股間には豪ちゃんマークが輝いていたような。井口作品が原作に忠実かどうかわからないが本作での女蛮は性別上は男子。内面も男子。面立ちだけがアイドル顔で地元では最低レベルの私立女子高にしか入学できないので女子に化けるという設定。人里離れた寒村に元暴走族の父ちゃんと二人暮らしで父ちゃんは顔だけは逃げた女房に瓜二つの女蛮を首から上だけを溺愛しつつもケンカ修行を強要する。AV女優のドキュメントにはありそうな身の上話だが。本作の女蛮役には亜紗美が恋人役で敵役に桃瀬えみるが。対立グループのパンス党、全ス党、ノーブラ党に出てくるヌードさん達もAV系なのかも知れないが私は桃瀬えみるしか知らなかった。今どきのAVシーンに今はスターがいないでしょなどとは全然思わないファンにとっては夢の競演のような企画なのかとも。私なぞはセルAVの店に寄ってもメモリアルコーナーで庄司みゆきや君矢摩子の作品を手に取ってこれじゃなくてあれがよかったんだがなとため息をつくオールドスクール。しかし今でもそうして旧作が並んでいるということは権利が宙ぶらなのか現場復帰を本人側が望んでいるかいずれかでは。『古代少女ドクちゃん』に斉藤由貴がお母さん役で登場するように今後の井口作品には90年代に『ガールフレンド』や『トップテン』誌上でランキング争いをしていた女優たちを隠し球に起用してほしい。本作では父ちゃん役のデモ田中以下男優陣はモロバレの血玉を自分で全身に塗りたくって悶絶したりとひょうきん族並の仕分け扱いながらも熱演。その分最新技術で乳丸から速射砲をズダダと撃ちまくる女優陣が芝居気ゼロなのはいつもの井口演出か。いや女蛮役の亜紗美は80年代のお笑い劇団の女座長のようなすべてを捨てた女だてらの振チン演技。女だてらにチンコ出すというならそれを撮る。話全然違う帰る名刺出せというならそれを撮る。やっぱりほぼ処女作にあたる片思いの後輩を8ミリ片手にストーキングしたあのドキュメント作品が今も井口演出の主軸になっているのでは。私個人としては出たとこ勝負の井口演出をオンタイムで観たいような。屋外生中継の生ドラマの井口作品を地域限定でも観たい。もしもの事態の豪ちゃんマークも忘れずに。