団鬼六先生が亡くなくなって残念よね

7月22日、キノコホテルの『マリアンヌの恍惚』を聴く。発売は11年4月6日。同じGSバンドのザ・シャロウズのデビュー盤が発売されたのは同じ年の3月でおそらく当初は記念イベントも何もあったものじゃなかったはず。ザ・シャロウズもその後はどうなったのか。その頃私はI−podなる文明の利器を初体験。何やらフワフワと軽い耳触りでショッピングモールの中を歩いてるような感覚に。これは信号というか電波に近いものではなどとたぶん当たり前のことを思った。CDなるいにしえの文明の利器を初体験した当時は何やらシャリシャリと薄味でパンチが足りんと感じたような。I−podはさらにパンチが足りないような。パンチとは何ぞや。音圧のことか。音圧だったら今はご家庭でいかようにも加味できるんです。これはキットです。材料ですと言われればそうかとも。本作リリース直後にキノコホテルのマリアンヌ東雲はやおら真昼のAMに高田文夫ビバリーにゲスト出演した。団鬼六先生が亡くなって残念よねぇなどといつものやさぐれキャラで語っていたが実際のところはさほど団鬼六には心酔しているわけでもなさそう。キノコホテルの60sフレーバーにはこうした営業っぽさが垣間見れて私なぞはそこにホッとしてしまうのだ。私だって60年代風の若ピチの彼女とGSを団鬼六を語り明かせたらどんなにいいだろうとは思う。思うがそんな理想の彼女が一体どこまで本気で60年代文化をこよなく愛しているのか。その愛のさじ加減が問題ではないか。もし私が重度のアニソン好きであれば今頃は中川翔子にメロメロだったか。それで申し分なく幸せだったかと思うとちょっぴり怖いような。マリアンヌ東雲のやさぐれキャラは爺殺しの撒き餌で本来は一見さんお断り、プアな昭和40年代男お断りなのだとしたらちょっぴり悲しいがまだショコタンに偏愛するよりは。昼のAMで聴く『非常なる夜明け』はパンチが効いて実にかっこよかった。安物の音響で聴くと意外に重厚な音に聴こえるなんてブルーノートのジャズのよう。GSという形にも今はあまりこだわっていないというキノコホテルは今度ジャズに傾くのかどうか。椎名林檎とも小島麻由美とも一味違うモデルチェンジが可能な時期が来ればそうなるのかも。GS好きの私はちょっぴり淋しい。淋しいから『非常なる夜明け』で一人ゴーゴーダンスを踊り明かすとしようか。お前の夢中で踊る姿は赤塚アニメのキャラのようだと言われたことがあったっけ。手塚アニメじゃないんだ。私は赤塚。赤塚止まりの私でも今のところはノリノリで。甚平で。