2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

勝新太郎と同じ65才で死去した著者の

7月30日、宮沢章夫 著『長くなるのでまたにする。』(幻冬舎文庫)を読む。本書は劇作家の宮沢章夫が15年に発表したエッセイ集を文庫化したもの。著者は昨年の9月に亡くなったが本書は追悼企画ではなくトミヤマユキコの解説も著者の精力的な仕事ぶりを身近で…

見たっていい。夢ぐらい見たって。

7月29日、『午前中の時間割り』(72年 ATG)をDVDで観る。監督、羽仁進。“『初恋・地獄篇』の鬼才、羽仁進 監督が放つ、珠玉の青春映画” である本作は一般向きには失敗作として知られる。本作のようなATG作品を公民館などで無料で観られる上映会が80年代後半…

そもそも俺の家だということなのか

7月27日、南正人の『南正人ファースト』(73年 ベルウッド)を聴く。本作は南正人が八王子市美山町の自宅にキャラメル・ママを招いて録音された元祖宅録盤。現在、古民家をリフォームしてカフェや洋品店にしたりするセンスのはしりかも。そんなセンスの店のB…

一度は自分を受け入れたはずの世間に

7月25日、丸尾末広 著『アン・ガラ』(KADOKAWA)を読む。本書は漫画家、丸尾末広が『月刊コミックビーム』に21年から23年まで発表した連作の単行本。60年代後半の東京で暮らす十九歳のミゲルとサチコ。ミゲルは漫画家を目指して『ガロ』に原稿を持ち込む。…