2006-01-01から1年間の記事一覧

マスター、プラッシーおかわりである

いい加減に引っ越しちゃどうだと家主のエイチにも心配されている私の住まう仮設住宅の押し入れを数年振りにガサ入れしてみると。真っ先に発掘されたのが甲斐智枝美写真集『つれてって』であった。 タイムリーったら不謹慎かもしれないがどうだろう。チェミィ…

賞味期限四十年切れの玉手箱である

10月27日のこと。池袋新文芸座で増村保造の『でんきくらげ』と『しびれくらげ』を観た後に、大鳥神社にふらりと足を伸ばした。その大鳥参拝時に私の目前をラフな背広に夏帽姿の唐十郎似のおじさんがするりと現れた。 私はおじさんの背後に並ぶ形で参拝を…

今や雲の上の青二才に君臨である

11月22日、シネアートン下北沢にてProject Nyx第一回公演『かもめ或いは寺山修司の少女論』を観る。プロジェクス・ニクスとは新宿梁山泊の看板女優、広島かつらの立ち上げた実験演劇ユニットだとか。 ぴあの告知でちらりと見かけた時は気付か…

着ぐるみと間違えられた程の男である

11月20日、板橋周辺をウロウロと。地中海風インテリアの小さな喫茶店にもぐり込んでまずホットを一杯。三百五十円ならなかなかかと。白い壁にはsince1974と刻んである。新聞も毎日新聞って何となしに70年代的だと思った。こういう店も今とな…

猪ノ瀬さんに当時協力したはずである

11月12日、夜は自宅でウーダウダと。神保町の中古ビデオ屋で入手した伊丹十三監督作品『お葬式』を観る。85年公開当時にも有楽町の劇場で観たしその後も名画座で何度か観ているのだが。 人間年をとると昨日より何十年も昔がクリアに思い出されたりする…

私だけの演歌の花道だったのである

11月9日、根津へふらりと。動坂近くのおにぎり屋で明太子にぎりを一つ。最近はこうした街の片隅にしゃなりと建てられたグルメなおにぎり屋が増えた。良質のお米がダブつき始めたというか日本人全体の米離れの反動なのか知らん。売れなきゃ何であれ安く叩…

言い訳なんて土留色のはずである

10月27日には新文芸座にて「日本映画検証⑦ 大映映画の鬼才 増村保造」『でんきくらげ』(70年 大映)と『しびれくらげ』(70年 大映)を観る予定。同特集は10月14日から日替りでスタートしていたのだが結局最終日にしか足を運べなくなってしまっ…

鬼の居ぬ間に同情票集めである

10月22日、日曜日が珍しく休日に。10時頃むくむく起き出し駒込、田端、根津へと歩く。途中のちょっとネチっこい古本屋にて角川文庫『戦争を知らない子供たち』(北山修 著)を三百十五円で入手。家主のエイチが北山修のディスクジョッキー時代のエッセ…

いつかクネクネする日は今である

10月19日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて「熱狂のグループサウンズ時代」『ザ・タイガース 華やかなる招待』(69年 東京映画 渡辺プロ)を観る。客層はGSリアルタイム世代の中高年男性に女性が中心か。前回、同劇場で『ザ・タイガース 世界はボクらを待って…

あの日に帰るには要ヘルメットである

9月30日、アテネ・フランセ文化センターにてドキュメンタリー・ドリーム・ショー山形in東京2006、小川プロ『三里塚の夏』を観る。盛況だった。客層は学生中心で海外留学生の姿もちらほらと。小川伸介の残した作品群はこれからドキュメント映画を作…

赤い分度器もノーコメントである

9月28日、自宅付近の巨大スーパーでインスタントラーメンとパックのしめじ、メンチカツを買い帰る途中のこと。ほぼ20年以上も住みついた街ながらもあまりボロシブ過ぎて今だ一度も寄ったことがないめし処の店先にポリバケツが放置してある。そのポリバ…

一歩間違えば本物扱いである

9月9日よりラピュタ阿佐ヶ谷にて『熱狂のグループサウンズ時代』と題して68年〜69年に公開された数々のGS歌謡映画を一挙にレイトショー上映する。といった紹介記事を先だってスポーツ新聞の片隅に見つけた。スポーツ紙に紹介されたならこれは結構な…

あのオジサンと遊んじゃダメである

さて、ハイドパーク2006のもうひとつの目玉は18時に登場した遠藤賢司バンドであった。登場するや否やスタンディング席以外に棒立ちになった観客に野次が飛ぶ。これが、これだけが今日一日の進行の中で一寸だけピリピリした場面であった。他の野外フェ…

実はできたてのノスタルジーである

9月10日、狭山稲荷山公園にて『ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2006』を観る。去年同様家主のエイチからの招待である。トップバッターの「東京ローカル・ホンク」からまァチンタラ観ることに。が当日のハイドパークは野外フェスを丸一日…

君とボクとの間にやる気が必要である

やはり真剣に愛してらっしゃるので?そのォ、鈴香容疑者を。本当にいそうだもんなァ。オウム事件の後で上祐被告のファンクラブごっこなど始めた女子高校生達とはまた性質が違うような。もっととりつく島もなくまったくお手上げな野郎どもだ。鈴香容疑者とフ…

おおきいことは物悲しいことである

新文芸座の黒木和雄監督追悼特集にはなるべく通ったが客層が年輩中心なのがちょっと気にかかったような。去年の成瀬巳喜男特集のように若い映画学校生風の観客はほとんど集まらなかった。成瀬はテキストとして通過しておいたほうが良いと判断しても黒木和雄…

失われている内が宴である

8月6日、池袋西武イルムス館にて古本まつりをチラリのぞく。「本日最終日」の閉館1時間前位か。お客の入りはまずまず。古本市は初日の開場後数時間が勝負時で後はめぼしいネタは全て売りつくされた状態と考えてよいとか。さほど古本マニアでもないしそれ…

ロックがオモシロックないんである

神保町のタクトにてついに入手してしまった『やさぐれ歌謡最前線 みなしごのブルース』。70年代東映映画周辺の不良性感度濃厚な女優、歌手、企画物グループらの楽曲を余すところなく集めた強力盤。私の目当ては17曲目に収録されたガールズの『パンキー・…

ヴィーナスの丘は始終回転中である

7月27日、新宿へ。ニューアートの前に花園神社へ。手洗い場で六十代位のおばちゃんとカチ合う。お早ようございますか何か言われそうで目をそらす。何でそんなことがわずらわしいのか。無論宿酔いなのである。中途半端な呑み助から足を洗えない自分に改め…

ダメージグッドな黄色い汗である

7月13日、大塚駅前のドトールでコーヒーをすすり図書館へ向う。途中の松屋でカレーでもどうかと思ったが昼時でもう満席。その周りを立って待つ人もいて少しおののく。と、大学生位の地味な服装の男子が自動ドアの前で泣きくずれそうな様子で肩を落として…

夢見るように眠る店発見である

ブックオフの登場以来、古本業界の事情も変わったようだ。街の古本屋もばたばたと店をたたみ始めているが、興味深いのはやる気のある店ほどばたばたいってしまうこと。品揃えやコーナーの配置などいつもあれこれ工夫していて、店主もきびきびしていた店は次…

千三百円で歴史にお立会いである

6月30日、渋谷ユーロスペースに出向き、その夜のレイトショーの整理券をもらう為に階段に並ぶ。昼の11時半頃で客層は中高年女性、会社員、大学生とさまざま。どうやら整理券は無事入手できそうかなと私は安心してペットボトルからエヴィアンをぐびぐび…

帰りは中本のラーメンが気分である

6月21日、有楽町シネカノンにて塙幸成監督作品『初恋』(06年ギャガコミュニケーションズ)を観る。三億円事件の実行犯は女子高生であったという設定の純愛ミステリー作といった宣伝のされ方は全くその通り適確だと思った。三億円事件を知らない若い世…

貴女の過去など知りたくないんである

6月20日、ラピュタ阿佐ヶ谷にてモーニングショーを観る。桑野みゆきスペシャルの第五弾、『その口紅が憎い』(65年松竹)である。主演・内田良平。悪役スターのイメージが強い内田良平が出ずっぱりの本作は、全体にただれた黒社会を突っ込み描いた野心…

歴史的瞬間をぶち壊す時である

来る6月30日、金曜日を丸一日空けておいた。その日、渋谷ユーロスペースにて細野劇場なるイヴェントが開かれ、入場整理券が当日正午より配布される為それを入手すべく。細野劇場とは音楽家・細野晴臣が30年以上ものキャリアの中で音楽を担当した映画群…

今メチャクチャ好きな中年である

コラムニストの看板を掲げてある時期一世風靡した文筆家の残した小文集ならどれもそれ相応に読み応えがある。あるのは分かっているのだけど、世代的に距離があってそれまで手に取ってじっくり読むことがなかった。そんな文士とも思いがけず向い合うきっかけ…

同級生などと身の毛もよだつのである

渋谷のホテル街を昼間から一人うろちょろし、昼間から半笑いでホテルに駆け込む親子ほどの年齢差のカップル客に何組もすれ違う。父親ほどの年齢差の男とそんな所に行くのはいかにもスレッカラシな女番長だけかと思えば今はまったく違う。本当に普通のしなび…

この店いいやね、心の故郷である

杉並アニメーションミュージアムに、私がここの所「タイムボカン」の上映会を一人楽しみに通っている件は以前この場に記した。が、その回だけが異常な当たりを見せて、一週間位たいしたアクセス数だったよとは家主のエイチの弁。ふむ。「タイムボカン」シリ…

無益な休日にゲテディナー定食である

5月17日、ラピュタ阿佐ヶ谷のモーニングショー「岩下志麻スペシャル」の最終作、『心中天綱島』(69年表現社=ATG)を観る。朝の10時半から映画館につめかける人がいるのか知らん、と思えば結構います。阿佐ヶ谷ならではか。 街全体がまだバリバリ…

二十余年振りの蔵出し爆裂音である

4月29日、新宿ロフトにて「町田康VSノータリンズ」なぞ。新宿ロフトが現在の地に移転して今年で七年目だそうで、その記念イベントのよう。私は80年代の新宿ロフトで町田町蔵やスターリンのライブを体験したことはない。が、今でも手元にあるJICC…