2005-01-01から1年間の記事一覧

それは禁じられた遊びなんである

12月26日、神保町に髪を切りに行く。特に好ましい美容院でもなく、全国チェーンのいわゆる激安カットの店である。どうも激安体質が身に染み付いたよう。朝は激安コーヒーをすすり、夜は激安スタンドで肉うどんを。DVD付きの激安アダルト雑誌などもついそ…

本物は昔も今も五時起きである

12月20日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて渥美マリ伝説「モナリザお京」(71年大映)を観る。70年代の日本を代表するお色気女優の渥美マリの人気はここでも健在。当時からの中高年ファンより20代の女性客の方が目立つ位だ。渥美マリの人気は健在。が、渥美マリ本人が…

行く春も来る春も延滞中である

なんだかんだと師走の今日まで生き延びたなどとは多額の借金や病魔と闘う人々の手前言いにくいのですが、ま、何とかうごめいております。で、この時期になると年間を通して色々な物を観たり読んだりして手記にまとめる職業の人々はアレやるでしょう。今年の…

小さき冒険尚も思案中である

今年もまたウダウダと無内容な一年が過ぎようとしている。内容のあるコラムがなかなか書けないのは何故か。そもそも私の書いているものはコラムなのか。生活エッセイと呼ぶにしてもやはり無内容な生活振りだと自分で思う。大体財布に余裕がある時で、沖縄料…

安らかに寝惚け続けたいんである

11月21日、正午近くにムクムク起床。枕元のDVDプレーヤーを操作すると画面がモノクロになっている。昨晩泥酔い状態でアダルト物のディスクを観ながらリモコン機能をあれこれ試しているうちにこうなってしまった。いい加減見飽きた画面の中の痴態をワイプ…

帰らざる日々とは呼べぬ日々である

昔ながらのヘナチョコなコンビニが街頭から姿を消しつつあるのは個人的にさみしいものである。看板からしてあまり聞いたこともないマイナーな響きがあり、ディスプレイも何処となくスカスカ。食品コーナーの片隅にプラスチックのザルが置いてあり、自家製の…

牛尾の先に巨象が住まうんである

11月9日、銀座テアトルシネマにてジャ・ジャンクー監督作品「世界」を観る。舞台は北京郊外のアミューズメント・パーク世界公園。文字通り世界中の名所と呼ばれるエッフェル塔や凱旋門、貿易センタービルに五重塔からピラミッドにタージ・マハールまでもが1…

暮れたいだけ暮れていたいんである

11月7日、宿酔いでモーローとしつつも万年床から脱出して最寄りのJRへ。山手線内回りが3時間ほど不通になりそうとのアナウンスが流れていたのが午前10時半近くのこと。ならば地下鉄に乗り換えようと外に戻る。こういう時は切符を駅員に差し出せば返金して…

犯した罪まで愛せやしないんである

10月24日午前10時、渋谷シネ・ラ・セットにて高橋陽一郎監督作品「日曜日は終らない」を観る。「女優・林由美香追悼上映・由美香Oh My Love!」の番外編といった感の限定上映だ。当コラムにて私は以前、林由美香の残したフィルムは渋谷や新宿のメジ…

ウチの主人を男にして欲しいんである

30円で30分間楽しめるチュッパチャプスなる舶来菓子が小中学生の間でブーム化したそのすぐ後だったと思う。チュッパの後追い商品としてペロチュ-なる国産の粉末ジュース付キャンディが発売された。本体のキャンディをなめては袋の中の粉末ジュースに(唾液を…

人生の漫画ゴラク化に冷や汗ものである

自分よりヒト回り半近くも年若の20代半端の青年たちが何千何億という大金をあの手この手でダマし取るニュースが気になる昨今。逮捕されこそすれ、オスとしての生命力というか機動力のようなものではまったく見上げたもんだと感心したり。悪いことやってんだ…

テレビ映画は電気消すのが気分である

眠らない、眠らせないのキャッチで始まるフジテレビの深夜枠の映画番組。それ何十年前の話だよと呆れることもできないのは今日まだ成人されてない年代の方々ですか。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』をノーカット一挙放送したその昔の録画ビデオを何と…

マイブックDVD化切に希望である

私の住むアパートから歩いて15分程の駅前通りに24時間営業の大手チェーン書店が2件ある。まだその書店に深夜になって書物を買い求めに向かったことは1度もない。夜は大概酒を飲んでしまうからだろうが酒を飲んで何をしているかというと古い文庫や雑誌の…

私の夏は明後日も続くんである

8月のこの場においては私財を投げ売ってでも通うようなことを言っていた「女優・林由美香 追悼特集上映 由美香Oh My Love!」に結局一度も出かけていない。投げ売る私財など初めからなかったということもあるが。それもあるが上映会場がテアトル新…

あなたのアルプス今一万弱である

だが待てよ。確かに先週のハイドパークの細野晴臣は素晴らしかった。素晴らしかったですよそれは。でもその際中私の頭の中でモヤモヤしていたことがある。ハイドパーク前夜に家主のエイチと川越駅前のメインストリートをウロチョロしていた時のこと。こうし…

地上は何かとヤラセ臭いんである

9月4日(日)、狭山の稲荷山公園にて「ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル2005」を家主のエイチに連れられて観る。正午に開演し若手バンドを3組観終えた時点では天気もよく開放感というよりダレ感に包まれ始め芝生にうずくまりウトウトしたり…

最近の彼女を私は痛く買うのである

8月15日、池袋北口にっかつにて3本立てポルノを観る。平日の昼でも客入りは三割強と悪くない。ピンク映画館の経済学みたいな論文も誰かひもといていただけまいかと。しかし昼の日中にこうしてどこからともなく集結したポルノ映画の観客が大人しく映画を観…

巨匠は76年生まれの76才なんである

8月16日、シネセゾン渋谷にて山下敦引監督作品「リンダリンダリンダ」を観る。地方都市の女子高生達が卒業前の思い出に、文化祭でバンド演奏をする。演奏曲はブルーハーツ。途中でケンカ別れしたメンバーの代りに、韓国からの交換留学生をボーカルに迎えて…

見ている人はやはり見ているんである

今年の夏は映画『リンダ・リンダ・リンダ』を観に行く他に楽しみもないようなことを先月ウダウダと書いたが、結局まだ映画は観ていない。その前に郷里の茨城県鹿島市に帰り、母親とラドンセンターにて村芝居を観るというトホホな夏休みを過ごすハメに。「あ…

薄水色の収集袋入りの記憶である

かれこれ百回以上も書き続けてきたらしい私のへなちょこ随筆の、主な題材である昭和四十年代の日本の暮らし振りを、ごっそりパックした博物館が千葉県松戸市にあるらしい。一度そこへ足を運んで勉強し直す必要があるのかなとも思う。が、なにしろ時代の細部…

やる気満々日曜日なのである

演劇というものを随分観ていないかしら。一番最後に観たのが本多劇場に初めて出た時の拙者ムニエルの初日だったか。流れの速い世界ではもう遥か昔のことになるのか知らん。演劇を一番観ていた時期のことをつらつら思い起こしてみる。と、ある時期には前評判…

あの日に毎週帰りたいんである

フツーの会社の中でもパタリと辞めていった女子社員がその時点から実は上司と不倫関係にあったりすることはよくある。同様に急に仕事をしなくなったセクシータレントというのも実は特定の愛人の元におさまってしまったと考えられなくもない。そうして急に仕…

今だ見え過ぎちゃって困るんである

ほぼ毎日のように利用している近所のスーパー銭湯に最近ちょっとした異変があった。露天風呂コーナーの夜間照明が突然消灯されてしまったのである。暗がりの中でゴボゴボとうでられ湯治されるのもまた良い塩梅でしょう、という店側の配慮かと私は初め呑気に…

焼け野原にてカウベル、コンである

フィルムセンターにて生誕百年特集 映画監督 豊田四郎「喜劇陽気な未亡人」(64年東京映画)を観る。主演のフランキー堺は便所で気張りすぎて怪死した中年男の幽霊役である。残された妻を新珠三千代が演じる。妻のワル仲間の事業家を淡島千景が演じ、鬼嫁役…

ハンケチではなくバンダナ用意である

大っ体毎年この季節になると今年の夏もレジャー企画皆無、遊興費皆無、有閑マダム皆無、若ピチの彼女皆無などと己のジリ貧生活をひと夏分とっとと予見してクダを巻くパターンが。多分毎年そんなこと書いてるんだろうな今の時期と思うだけで実際の拙宅にはそ…

青春の裏表紙にキム・ワイルドである

去年の今頃に千駄木辺りの古本屋で何気なく入手してしまった『ミュージック・マガジン』82年6月号をペラペラ読み返している。当時の私は15歳。『ミュージックマガジン』という雑誌の存在は知っていたが敷居が高そうで立ち読みすらできなかった。一応高校と名…

台風は四号に限るんである

待てよ、俺はラッキーマン。五月のとある昼下りに近所の巨大スーパーにてサッポロ一番の塩とかきあげ天とえのき茸を購入中にハタと気付いた。店内にはビートルズの初期ナンバーとおぼしき楽曲が流れていた。冷凍食品棚の前では象アザラシのような白人中高年…

もう二度と魅せられたくないんである

「もしもし、あら、宮本亜門さんですか?」 郷里の母親が時折電話口でかましてくる定番ギャグである。宮本亜門のような世界に羽ばたく舞台演出家になる夢を私が抱いていると思い込んでいるらしいのだ。二十代なかばにアングラ劇団に首を突っ込んでいた時に公…

ゆく年くる年皆袋とじである

5月18日、銀座シネパトスにて「花と蛇−白衣縄奴隷−」を観る。監督 西村昭五郎、主演はSMの女王というキャッチが大衆の印象に残る最後の女優である真咲乱。肉体的にはSMの女王の看板を背負うに充分過ぎる真咲乱だったが、精神的には全然その気が無かった…

君はわが運命のまた片面である

春先の出来事だったと思うが、日暮里周辺をまた意味も無く宿酔いの赤ら顔でほっつき歩いていた。ふいに背後からママチャリに追突され、横断歩道上でスッ転げてしまった。ママチャリに乗った女子高生は私を無視してそのままヨロヨロ徐行を続け、横断歩道を渡…