2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

肝心なところで東映ヒーロー劇化して

9月14日、『風の又三郎―ガラスのマント―』(朝日新聞社)を読む。89年に公開された同名映画のダイジェストと撮影日誌がミックスされた原田大二郎のスチールによる絵本のような。本屋の店先にある円谷プロ系の絵本のような。本屋の店先にある円谷プロ系の絵本…

石原真理子が特に嫌いだった訳でも

9月7日、山根貞男著『日本映画の現場へ』(筑摩書房)を読む。82年から88年までの邦画の撮影現場を映画評論家の著者が密着リポートしたもの。中島貞男から小沼勝、田中登といったポルノ勢、工藤栄一、石井聡互、崔洋一などのバイオレンス、ハードボイルド勢…

工藤夕貴が何となく家出して何となく

9月5日、『台風クラブ』(85年ディレクターズ・カンパニー)をDVDで観る。監督、相米慎二。田舎町の中学校舎を九月の台風が通り過ぎる。その一週間足らずの間に起きる少年少女の混乱と惨劇。キネ旬の監督全集には本作を相米慎二の描いた『青春の蹉跌』と…

そして12年7月に本書は発行された

8月27日、町田康 著『この世のメドレー』(毎日新聞社)を読む。この作品は『熱海超然』のタイトルで『本の時間』10年4月号〜12年6月号に掲載されたもの。その連載を私は11年1月号まで追いかけていた。2月に転居してみると都心ではフリーだった『本の雑誌』…