2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

この珍事を見逃さない編集者の眼力に

3月1日、山田太一 著『S先生の言葉』(河出文庫)を読む。本書は脚本家の山田太一がこれまで新聞雑誌等に発表してきたエッセイの中から企画・編集をフリーの編集者に委ねたベストセレクションのこれが第一弾。まえがきには「私はいま八十一歳で、一応おだや…

そのアットホームな様子にほっとする

2月9日、新宿K's cinemaにて『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』(15年 シネフィルム)を観る。監督、遠藤ミチロウ。本作は11年3月初めに遠藤ミチロウの還暦記念ライブツアーを収録したDVDの中のミニドキュメントとして制作開始された…

へなちょこでいいのだと言いたい

2月7日、つげ忠男 著『成り行き』(ワイズ出版)を読む。本作の著者、つげ忠男はつげ義春の実弟にあたる。兄、つげ義春のようにブームに巻き込まれることもなく断続的に描き続け固定ファンを抱えている。本作は56年以上にもなるその活動の集大成になるかもし…

伊藤克信が全篇いい味出し過ぎの

1月25日、新宿ピカデリーにて『の・ようなもの のようなもの』(16年松竹)を観る。監督、杉山泰一。本作は11年暮れに急死した映画監督、森田芳光の出世作『の・ようなもの』を弟子にあたる杉山監督が同じく森田組出身の堀川正樹の脚本でリメイクしたもの。3…