2002-01-01から1年間の記事一覧

家を捨てたんじゃ無かったんである

言ってみりゃ街頭ミュージシャンか。日計30名寂の訪問客相手にこうして一年雑文を書き殴り続けてきた自分をそのように今振り返っている。一年も続けた割りに社長と名のつく人物にやるじゃないかと肩を叩かれ瞬く間に急上昇などと予感される場面はただの一…

俺はちっともカッコ良くないんである

この原稿がホームページ上に起立するのがいつになるのか私は知らぬがこうして机に向かっている今は12月9日である。ジョン・レノンの命日の翌日にあたる日でオノ・ヨーコさんもそのため来日しジョン・レノンミュージアムを訪ねるらしい。ジョンとヨーコが…

現代は時間との闘いである

銀座シネパトスにて田宮二郎特集「風速七十五米」を観る。昭和38年の大映作品である。昭和33年の日活作品「風速40米」がどんな内容か私は未見である。が、特撮シーンの技術は恐らく本作の方が上だと思われる。「風速40米」にも台風の見せ場があるはずと仮定…

日本は妖怪吹き溜まりなんである

ところで家主は古本屋であってその筋の事情にも詳しいと思う。最近じゃどんなブツに人気があるのよなどと私もその筋に片足突っ込んだ気になってエイチに問うた。が、近頃じゃこの業界に売れ筋なんぞ特に存在しないと言うのだ。つまり中古レコード屋の壁に飾…

あの人は今シックスナインである

お前は詩作もするのだろう。折角だからネット詩も発表しようぜと家主のエイチが近頃せっつく。嫌なこったと私はそっぽを向く。ネット詩に批判的なのかと言われればそうかも知れないと感ず。いや、そもそもインターネットに及び腰なのだ。この先筆一本で経済…

それは金に糸目をつけぬ貧乏臭である

丸の内ピカデリー1にて「たそがれ清兵衛」を観る。山田洋次監督による初の本格時代劇である。本格じゃない時代劇ならチョコチョコ撮ってたのかと思えば撮っていた。多分それらは「男はつらいよ」の冒頭数分の扮装コントの事だ。勿論今回はあのようなものと…

去年の今頃の事なんだよーんである

私の書き物を定期的にのぞき見してくれている現在30名弱のふざけた方々について思いをめぐらせてみる。その大部分が永ちゃんのライブ会場に集まるようないい女などとはゆめゆめ思わない。むしろその逆だろう。泉谷しげるのライブ会場に集まるようなイヤな…

一個人対七分目個人である

家主のエイチと再び温泉旅行に行くことになった。最寄りの駅から東上線に乗り継ぎエイチ宅のある上福岡まで小一時間電車に揺られる。この時点で小旅行。いつ降りても東京オリンピック前後の佇まいが残る駅前通りにエイチは私を待っていた。これから早速エイ…

最終学歴神田アカデミーである

三百人劇場で小林政広監督「歩く、人」を観た。舞台は北海道増毛町、緒方拳演じる造り酒屋の老主人は二年前に女房と死別している。今は次男に酒蔵を引き継ぎ自分はもっぱら散歩の日々。長男は十二年前に家を出てフラフラしているが、本人は音楽で生活したい…

和製マイケル・J・フォックスである

飲食店などで「そっちのボクは何にするのかな」などと注文を聞かれることが30代半ばになってもある。そっちのボク、お兄ちゃん、別に子ども扱いにムクれているのではない。子ども料金にして欲しいんである。映画館やレジャー施設などで係員でもない人から「…

折り入ってちょっと話したいんである

ピンクレディーはプール付きの豪邸に住んでいるわけではない。だからジャパニーズドリームは無いなどとは言い切れないだろうが。それにしてもピンクレディーのおしゃれセット、お風呂セットに限らず数々のヒット商品の何%か知れぬがただってこともなかろう…

ショーヤンと肩を叩けそうである

最近文庫化された宮沢章夫のコラム集の中で一番面白かった「友人」とはなにか?というタイトルの項は必読。もう20年近くも連絡をとってない学生時代の親友から著者の元へ電話が来る。一応は友好的に応対し世間話や昔話に調子を合わせている。しばらくして実…

若者ならオーッホホホゥである

暇にかまけて通わせてもらった三百人劇場の「中国映画の全貌2002」だったが私のベストワンはコレ。ジャ・ジャンクー監督、「プラットホーム」である。二年前に公開されたこの青春映画の大傑作を何故か私は見過ごしていた。今回初めて観てそれはたまげた…

ダルマと言えばあのダルマ達である

ダルマボトルを憶えているだろうか。サントリーオールドの話ではない。80年代の前半にふいに市場を占領したと思ったらすぐにきえたあのダルマボトルのソフトドリンク達である。確か初めはコカコーラ、ファンタなどが売り出したはずである。350ミリリットルと…

離したくないのにまた来夏である

夏もいい加減終りである。夏っ娘、夏大好きおじさん達には淋しい時期だと思うが私は内心いい気味である。どんな季節であろうといよいよ俺の季節ですからねなどと季節の私物化を謀る人間は不快である。ともあれ夏は終わった。 夏の終りという物に意識的になっ…

お前なんか全身ヘアヌードである

新宿武蔵野館にて「ぼのぼの/クモモの木のこと」を観る。平日であったが客席には子供連れのお母さんが何組か来ていた。お母さんだって30代前半くらいのほぼ私と同世代なのだが。その世代のお母さんが私の隣で子供らに上映中与えるお菓子がハートチップルだっ…

野村誠一の瞳に乾杯である

2002年の夏、堀江しのぶの最新写真集が書店に平積みされる珍事が起きてしまった。カメラはかつての名コンビであった野村誠一ではなくて山岸伸。私はまだその写真集を購入していない。自宅の押し入れの奥には今も堀江しのぶ関連の書籍やビデオが眠っている。…

赤いシリーズって貴方と今仰天である

たまには海を越えたエロはどうかな。三百人劇場、中国映画の全貌2002における上演作品「レッドチェリー」を観ようと思ったきっかけはその程度であった。タイトルからして少女を扱った明るく助平なライトポルノかと私は思い込んでいたのだ。 実は実話に基づく…

自主映画な青春は門外不出である

学生時代の馬鹿っ話もいいけど俺のことはあまり書いてくれるなよとエイチから苦情が届いた。演劇青年でメジャーな劇団のオーディションなどにも私を巻き込みトライした過去はカミサンに内緒だったようだ。別に悪い事をしてた訳じゃないので私の方はもっと書…

湯上りの神代辰巳が私の粋である

金も余暇にも縁が無い。MEGUMIのような若ピチなガールフレンドにもまず縁が無い私にも夏のバカンスは必要。貧乏なりに小忙しいなりにも何か愉しみを探してみよう。もう一度生きてみよう。そうした前向きな気持ちだけはきっとMEGUMIだってその意気です…

二十年来あきらめの夏である

熊谷の夏も知らずに何を言うかと怒られそうだが、夏はひたすら我慢の季節である。金もヒマも冷房も無いジリ貧生活者の夏はただひたすら我慢なのである。それでも過去にはもう少し甘酸っぱい夏の思い出の一つや二つあったかも知れない。が、暑さのせいで思い…

ナンシー・アイ・ラブ響く夜である

大体リリー・フランキーなんて今が正にわが世の春である筈なのに何故ああも酒に溺れ続けるのだろうか。その辺のことを私なりに推測してみようかと企んでいるうちにナンシー関が急死してしまった。 やはり最前線で発言するコラムニストにかかる重圧たるや相当…

ともすれば充分戦後派なんである

最近やたらと多い戦後歌謡史的文脈に乗ったリメイクJ−POPに物申す。まず楽曲的につまらない。古き良き素材を現代風にアレンジしたつもりがオリジナルより鮮度の低い出来に終わっているケースがほとんどである。中村登の映画「続・愛染かつら」であまりに…

レディーコングな小屋でも可である

古書にまつわるちょっといい話、泣ける話をこれまでずいぶんしてきた。いや、してきませんでした私は。本来ならばそうした内容の小文をさりげなく寄せるべきところである。どう考えたって街の古本屋のホームページで吉川エミリーがたまらんとかマーシーがん…

香典泥棒のその逆なんである

初恋の嵐というソフトロックバンドの存在を私が知ったのは今年のミュージックマガジン4月号の国内ニュースのページが最初である。知ってる人は知っていると思うがそのページの片隅にあるのは初恋の嵐のフロントマン、西山達郎が今年3月2日に急性心不全によっ…

ある意味あの日に帰りたいんである

新宿シネマスクエアとうきゅうにて阪本順治監督「KT」を観た。新聞もろくすっぽ読まぬのにポリティカルな映画ばかり観ている。が、邦画界は近頃めっきりポリティカルなのだ。時の流れと共に史実に基づいたフィクションと断り書きを付ければ取り上げられる…

エアー、手前ぇこの野郎ってんである

人気タレントの優香さんがはじめての絵本を出版されました。記念イベントの開場に現われた優香さんは感激の余り思わず涙ぐむ一幕もあり―― という内容のワイドショーの芸能情報に私は心中複雑になったのである。 私は優香のファンの一人であるが、写真集やビ…

今のマーシーは慎之介待ちである

頑張った人にはいつかきっと良い事がある世の中が大嫌い。今後は好きな事だけ適当に書けばあとエイチから告げられて私はこれを書いている。つい先だってまではボチボチだった訪問者もめっきり居なくなったらしいのだ。街の古本屋の案内板にそう目を光らせる…

私のMEGUMIは何処やらである

大体30代も中ほどになれば中高生向けのグラビア雑誌などそう読まないし、バラエティー番組も私なぞはほとんど見ない。そのせいでちょっと気になるグラビアモデルとの出逢いの場は唯一電車の中吊り広告に限られるのである。当然モデルのパッと見以外何もこち…

二匹目のどぜうもツライんである

上野セントラルにて「突入せよ!『あさま山荘』事件」を観た。今から30年前に起きた実在の籠城事件で、実際現場の指揮をとった元監察官の佐々淳行の原作を原田眞人が演出した社会派ドラマである。主演は役所広司で、演ずるのは籠城現場で指揮官を命ぜられ…