2009-01-01から1年間の記事一覧

昔の名前で黒ニッカまみれである

家主のエイチから届いたメッセージ書きの中に君がそれほどまでこだわる新宿ニューアートとやらに僕も一度観劇に行こうと思うといった内容があった。私はそれはどうかな今の時期と思った。劇場側が製作費を出し惜しみしないのは正月と大連休と夏休みと年末で…

才能とは肝機能かとも思うのである

04年から08年までビッグコミックに連載していた『中春こまわり君』が単行本になったので早速入手。小説家になった山上たつひこは90年代にも青年になったこまわり君を突然復活させたが。その当時も全盛期と画力もギャグも劣化していない剛腕におののい…

街かどテレビは止められないんである

11月4日、テアトル新宿にて『こまどり姉妹がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』を観る。製作アルタミラピクチャーズ。監督片岡英子。モーニングショーのみの公開だが案外盛況であった。映像専門学校生のような若者たちが団体で来ていた。講師か卒業生がスタ…

君のためにも音声処理したいんである

角川文庫から出た『町田康全歌詞集1977〜』を読む。シンス1977、つまり作者がまだ大阪の高校生で友だちとキッズ・パンクバンドを結成した当初からの歌詞が残された一冊である。 以前に田島貴男が高校時代に友だちとバンドの練習をしている記録テープ…

花と蜜蜂そんな感じである

最近ほうぼうに出現する激安中古ビデオの店。どう見てもレンタル店流れの映画ビデオを100円、50円、30円とギャグのような安値で叩き売っては風のごとく消えていくそうした店を私も利用している。先だってもそうした店の閉店セールにもぐり込み『ウン…

十日に一割ならモアベターである

10月21日、銀座シネパトスにて若松孝二監督作品『性輪廻 死にたい女』(70年 若松プロダクション)を観る。三島由紀夫の割腹事件のあった70年11月25日にたまたま次回作の脚本を練っていた若松孝二と足立正生のコンピはホテルのテレビで事件を知…

雨がやんだら三度お別れなんである

10月20日、船橋若松劇場にフラリと。8月31日にいつものように新宿ニューアートに向かうと改装休業中であった。小雨そぼつく区役所通りをウロチョロするうちに新宿TSミュージックの前に来てしまい何となく入ってしまった。 ニューアートと比べればワ…

ハイドパーク事件は取材不許可である

10月19日、正午ごろ目覚めて枕許でつけっ放しのトランジスタラジオをぼんやり聴いていると先日亡くなった加藤和彦さんの続情報ですがとパーソナリティが。トランジスタはそこで止めて表に珈琲を飲みに。 行きつけの珈琲屋のスポーツ紙をいくつか読む。ト…

幸せとは撃ったばかりの銃である

10月7日、テアトル新宿にて沖田修一監督作品『南極料理人』を観る。日本からは約1万4千キロ離れた南極ドーム基地で1年半の観測活動に務める8人の男たちの物語。原作者の西村淳は97年に第38次南極観測隊に参加している海上保安官である。 ウィルス…

マドンナ議員の方がワイセツである

9月24日、銀座シネパトスにて『愛のコリーダ』を観る。76年公開の本作は00年にやや海外版に近い形でリマスターされた。具体的にはヘアーはありでペニスの外観も少しはありでヴァギナはやっぱりなしといった。有名なワイセツ裁判も実際は映画の内容で…

チョコベーでラリラリ世代なんである

9月19日、シネマート六本木にて中川信夫特集『「粘土のお面」よりかあちゃん』(61年新東宝)を観る。六本木なぞに足を運んだのは十何年ぶりかも知れない。ルイ・マルの遺作になった舞台役者たちのドタバタ喜劇映画を観て以来か。 やはり映画館ぐらいし…

アマゾンライダーが此処にありである

西巣鴨から池袋に向かう明治通りの途中にもう数年前にクローズしたあまり聞かないコンビニエンスがあった。初老の店主はよく「映画監督の塚本晋也は学生の頃からの常連だよ」などとそれらしい若者客にだけ話しかけていた。それらしい若者客とは革ジャンの背…

面白えじゃねえのよと閉幕である。

『あんにょん由美香』をポレポレで観た帰りに東中野のスーパーで映画秘宝を立ち読みしていると山田辰夫の死亡記事に出くわした。胃ガンの手術をして近年は病気と取っ組みながら仕事をこなしていたことは知らなかった。出演作リストの中からそういえばと思う…

当時の顔役は現在の小屋主である

8月25日、神保町シアターにて『顔役』(58年松竹大船)を観る。監督、中村登。主人公、輪島八十彦は山形の山村の風呂屋の主。周囲のすすめで市議会選挙に出馬することになる。そこへ訪れた風来坊をいたく気に入り選挙参謀についてもらうことに。 風呂屋…

体当たりの演技は今後禁じ手である

8月23日、ポレポレ東中野にて松江哲明監督作品『あんにょん由美香』を観る。05年に急死した女優の林由美香と深い親交を持つAV監督達の現在の想いを元ADである監督が問う内容のドキュメント映画。 その中に林由美香の死後に発掘された謎の韓国産ビデ…

ゆとり教育世代の恐怖PTAたちである

8月18日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて『恐怖女子高校 暴行リンチ教室』(73年東映京都)を観る。監督、鈴木則文。主演、杉本美樹。タイトル通り不良女子高校の中で教員たちは学内の権力を生徒らは不良のメンツを争って血みどろの抗争に明け暮れるといった内容…

伝説の予想屋は今や巨匠なんである

7月20日、新文芸座にて『の、ようなもの』(81年ニューズ・コーポレーション)を観る。ニューズ・コーポレーションなる制作会社が当時31歳の森田芳光監督が学生映画ではなく芸能界に踏み込んだ商業映画を撮るために「4ケタの借金をして」ブチ上げた…

ドーナツ盤1枚分の簡易秘宝館である

7月16日、靖国神社みたままつりにフラリと。その1週間ほど前に『演劇ブック』を書店で立ち読みしていたところ劇団ゴキブリコンビナートの春公演の評とDrエクアドル氏のインタビュー記事が。不況の折、今年中の公演はあきらめかけてますといった氏のぼ…

試しに聴く者は皆店長止まりである

神保町のヴィレバン向いにあるジャニスという中古盤屋にフラリ。町田町蔵+北澤組の『駐車場のヨハネ』が1500円なのですかさず入手。これいつもこういう店で2000円前後で売ってて大概試聴盤なんだよな。94年3月24日発売、ビクター移籍第1弾と…

リハビリ中でも世直しは休まずである

先だって近所の図書館で毎日新聞をめくっているとニンニク粒をどうかした健康食品の広告に名高達郎が出ていた。体が資本ですから毎日走ってますわといったコメントに何かヒクとなるものを感じたが。毎日走ってるということはそれだけヒマになってしまったと…

あの時代男優といえば団優太である

池袋、新文芸座近くの中古ビデオショップで見つけた『神様のピンチヒッター』を観る。ビデオの初版発行は92年10月とあるが。本作を確か旧文芸座地下で観たものだなぁとワゴンセールから50円で発掘した後タイムスリップを楽しむつもりでいたが。 『神様…

僕らはみんな水際じゃないんである

6月18日、神保町シアターにて『青ヶ島の子供たち 女教師の記録』(55年新東宝)を観る。監督、中川信夫。都心から人口約400人の離島の分校に赴任してきた女先生が左幸子。青ヶ島と呼ばれるその島は女先生の故郷でもあるが。 昭和30年代の離島の生…

ゲラゲラ45分と戦慄の75分である

6月17日、テアトル新宿にて『インスタント沼』を観る。監督・脚本 三木聡。前の週にテアトルを通りかかると立見の看板が出ていた水曜割引とはいえさしたるプロモーションもない小品のコメディ映画で立見とはと思い観ることに。ドラマ『時効警察』のブーム…

未だに『シブヤで会いたい』んである

6月12日、シネウェーブ渋谷にて「活弁上映会『浪人街』」を観る。弁士は佐々木亜希子氏。彼女の活弁上映会を追いかけていたのはもう3〜4年前にもなるのだろうかと。私がフォローする女性アーティストは必ず落ち目になるという悲しきジンクス通りに弁士…

たまに行くなら「二十代」である

5月18日、天気がよいので散歩にでもといつもの隅田川コースへ。王子駅から赤羽駅の間を隅田川の方までえぐるようにウロチョロする。途中、50代後半とおぼしき中高年のサイクル野郎と何人もすれ違った。なかには海パン一丁で肌を焼きながら走る強者もい…

そしてあいつは可笑し過ぎる男である

5月25日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて中平康特集『あいつと私』(61年日活)を観る。主演、石原裕次郎。60年安保闘争の最中、マイカー通学する者もあればバイトで自活する者もあるブランド校でいずれからも人気を集める上流階級の快男児がやはり裕次郎。そ…

俺達はまだ青春知らずである

5月23日、池袋レコファンのワゴンセールを物色。頭脳警察の『仮面劇のヒーローを告訴しろ』と『誕生』が千円か。頭警の再評価とRCサクセションの再浮上って確か同時期だったなと思い出す。同じワゴンに宇多田ヒカルの初期マキシもゾロゾロ並んでいてこ…

鴻上尚史にモラハラしたんである

5月4日、北池袋をウロチョロする内に板橋書店なる古書店へ。以前につのだひろの『パパはソウルマン』を400円で入手した結構な古看板の店だが。その時一緒に平積みしてあったRCサクセションの『愛しあってるかい』の方は何となくパスってしまった。値…

大八車による東京探検である

4月27日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて「孤高のニッポン・モダニスト 映画監督 中原康」『あした晴れるか』(60年日活)を観る。主演、石原裕次郎。売り出し中のカメラマンである裕次郎にフィルムメーカーから「東京探検」なるテーマの広告写真をシリーズで撮…

愛し過ぎてこんな感じである

『愛しのハーフ・ムーン』を観てから何やら80年代後半の若者文化、それもかなりダメな層の若者文化に魅了されてしまった。最近ではどんな弱小アーティストでも一応は大手レコード会社からデビューしていればパソコンで当時の音源や映像が引き出せるという…