2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

その配慮は「貧しさ」から生じていた

11月1日、『顔役』(71年 東宝)をDVDで観る。監督、勝新太郎。本作は勝新太郎が 大映倒産直前に残されたスタッフごと他者と提携する形で縦横無尽に撮った意欲作。以前に劇場で観た時の印象は勝新作品の中でもとびきり面白いというものだったが。どこがどう…

 寺山をおたく文化の始祖と見る向きも

10月30日、寺山修司 著 『ぼくが戦争に行くとき』(中公文庫)を読む。本書は69年に刊行された寺山のエッセイ集だが没後何冊も世に出た再編集本に収録された文章も多い。私が初めて読むのは第二章『キャンパスでの演説』における68年の関西学院大学での演説…

あの健気なコール&レスポンスは

10月25日、『ミッキー吉野グループ 1974 ワンステップ・フェスティバル』(アイドルジャパンレコード)を聴く。本作は74年8月福島県郡山での日本初の野外ロックイベント、3日目のトリに出演したミッキー吉野グループの演奏を収録したもの。野外フェスの…

本作は表舞台に残された置き土産の様

10月20日、松本正彦 著『たばこ屋の娘』(青林工藝舎)を読む。本作は漫画家、松本正彦が70年代前半に『ハイドコミック』や『土曜漫画』に発表した短編集。松本正彦は50年代に病死している。本作は表舞台に残された置き土産の様な小品だが70年代に郷愁を持つ…