2019-01-01から1年間の記事一覧

私には頼もしいその変わらなさが

9月21日、eastern youth『時計台の鐘』(NBCユニバーサル・エンターテイメント)を聴く。本作はアニメ『ゴールデンカムイ』挿入歌のタイトル曲を含む全3曲のシングル。『ゴールデンカムイ』とはどんな作品かとコミックス第一巻を読んでみる。…

フランチャイズに入れなかったので

9月17日、『愛のお荷物』(55年日活)をDVDで観る。監督、川島雄三。本作はフランス演劇『あかんぼ頌』を映画化するはずが権利がとれず内容を改変したもの。フランチャイズに入れなかったので堂々といただいてより面白い作品をと狙った感。人口抑制を主張す…

私を『浅川マキの世界』にエスコート

9月14日、きたやまおさむ 前田重治 著『良い加減に生きる』(講談社現代新書)を読む。本書は精神科医であり作詞家であるきたやまおさむが先輩格の精神科医である前田重治と過去の作品について語ったもの。『あの素晴らしい愛をもう一度』や『戦争を知らない…

作画も台詞も全て手書きゆえに

9月12日、東陽片岡 著『コモエスタうすらバカ』(青林工藝舎)を読む。本書は『プレイコミックプレイコミック』誌に08年から11年までに掲載された作品を収めたもの。毎回四頁一話完結で背景も台詞も全て手書きというスタイル。登場するのはいずれも時代から…

そうしたフラストもいずれもう一皮

6月5日、ゴキブリコンビナート『粘膜ひくひくゲルディスコ』(93年いぬん堂)を聴く。以前この場で映画『盲獣vs.一寸法師』(01年石井プロダクション)について主演男優は劇団ゴキブリコンビナート主宰のDrエクアドルなどと紹介したがこれは誤り。メイキング…

が、渋谷生まれの著者は区立原宿中学

5月31日、塚本晋也 著『冒険監督』(ぱる出版)を読む。本書は映画監督、塚本晋也がこれまでの活動歴を初めて8ミリカメラを回した14歳の頃から振り返る自叙伝。80年代の終わり、本書にも登場する石井聰互や松井良彦や利重剛など期待の新鋭監督の一人として…

血圧で人となりを探ろうとするのは

5月19日、『ときめきに死す』(84年にっかつ)をDVDで観る。監督、森田芳光。とある海辺の別荘地でひと夏の共同生活を送る男女。沢田研二演じる青年テロリスト、杉浦直樹演じるお目付け役の医師、樋口可南子演じるコンパニオンの3人を操る司令塔はパソコ…

そんな投げやりなラストも時代の気分

5月15日、ジョージ秋山 著『ドストエフスキーの犬』(青林工藝社)を読む。本書は漫画家、ジョージ秋山が70年から79年まで発表してきた作品を8編収録したもの。表題作の『ドストエフスキーの犬』は79年作品。冒頭には夕日に向かって家路を急ぐ主人公の淳少年…

今ここですべてを捨てる快感に対して

2月18日、サレンダー橋本 著『働かざる者たち』(小学館)を読む。本作はエブリスタ『コココミ』に17年5月から18年8月まで掲載された作品を単行本化したもの。同時期に『明日クビになりそう』(秋田書店)という同じサラリーマンものもリリースされた著者は“…

江戸末期、時代の節目に一攫千金を

12月21日、渋谷ユーロスペースにて、『斬、』(海獣シアター)を観る。監督、塚本晋也。国際俳優としても活躍する塚本晋也は今や「藤岡弘、」のように国内外に豊富な人脈と微妙なしがらみを抱えているのだろうか。本作は前作『野火』で戦争映画に初挑戦した…

らしくもないことはやらない姿勢を

12月20日、EXシアター六本木にて『岡林信康デビュー50周年コンサート 東京公演』を観る。予定されていた山下洋輔スペシャル・カルテットの出演は山下洋輔の負傷欠場により中止に。「どうも沢田研二です。今日は満員なんでやる気になってます」と登場するやい…

観客層は評判通りおじさんと女のコが

12月9日、昭和女子大学にて大森靖子の『クソカワ PARTY』TOURを観たがもう二ヶ月前のことなのでアルバム『絶対少女』を聴きながら印象に残っていることなどを記す。観客層は評判通りおじさんと女のコが大半。おばさんと男のコが寄り付かない実情は読み取れな…