2010-01-01から1年間の記事一覧

逢う時には何時でも他人の空似である

11月2日、近所のモスバーガーでコーヒーとバーガーのセットを食べても満ち足らずそのまま歩いて数分のタイ料理の店へ。二階へどうぞと案内されて二階へ上がる。二階は私の住む木造モルタルの四畳半とまったく同じ素部屋であった。小さな卓が四つ並んでおり私…

四年と十カ月に亘る立ち稽古である

10月31日、新宿TSミュージックにて大崎悠里引退興行を観る。初日と中盤にも足を運んだが丸ひと月の強行軍で彼女の体調も良くなく楽日の今日には咳き込みながら一回目の舞台を終了。あのお大事になどと声をかけるとアン?とザーマス眼鏡の奥の瞳が冷たい光…

足りないのではなく超々多いのである

二年ばかり前のちょうど今くらいの季節に神保町周辺をプラついていた時のこと。向こうから高級外国車がするするとこちらに停車してきてパワーウインドウが下りた。道を聞かれるのかと思ってエヘラエヘラ応えようとすると車の中から高級腕時計のケースが差し…

闘いからは卒業見送りの身上である

もう4、5年前だかの池袋サンシャイン内での古本市に行ったときのこと。グラビア女優らの写真集やDVDの並ぶ棚を横50センチ程同仕様のパッケージが占拠していてこれはと思った。よくある名作ロマンポルノのようなデザインで花模様のバッグに主演女優のスチー…

至極、中途半端はつらいものである

9月10日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて『(本)噂のストリッパー』(82年にっかつ)を観る。監督、森田芳光。ストリップを題材にした映画の特集を8月から組んでいるラピュタですでに何作か観てきたが私個人の本命はこの一本だった。宮脇康之演じるアルバイト学生が…

エプロンおばさんに発射準備である

9月7日、郷里で一日中うだうだと食っちゃ寝しつつ幻冬舎文庫版、もたいまさこ著『猿ぐつわがはずれた日』を読む。大崎悠里にエレクトして以来おばさんキャラの女優がどうも気になって。本書はもたいまさこがおばさん女優として一時代を築いた90年代半ばに書…

君は天然色で並びに蛍光色である

8月になってからも相変わらず私の大崎悠里熱は上がる一方で何となく避けていた渋谷道頓堀劇場にも初参したり。客席には五十代前後の田舎からやってきた風の夫婦が何組か。舞台役者の真似事をした経験から言ってそれらは出演者の身内である。つまり田舎の両親…

別れろ切れろは午後3時開演である

7月20日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて『愛しながらの別れ』(65年日活)を観る。浜田光夫と和泉雅子の青春スターコンビによる悲恋もの。和泉雅子のできたてのボーイフレンドである浜田光夫が暴力団のパシリをしていたことを知った家族は離縁をすすめる。対抗勢力と…

裏切者の旅は山手線内回りである

先だって新宿TSミュージックに千葉なぎさを観に行った時のこと。受付で入場券を買いモギリの青年に手渡すと「今日は誰を?」と例によって。「なぎさちゃんを」とまた照れもせず答えると。「えっ、お休みなんですけど」とくるりの初代ドラマーのようなモギ…

サイテー映画祭も遠き落日である

6月28日、新文芸座にて「恋人たちは濡れた」(73年新日本映像)を観る。監督、神代辰巳。本作をスクリーンで観るのは十何年振りか。二十代後半に亀有名画座では何度も何度も観たがその頃は70年代の青春に中毒状態だったのだ。90年代の前半で日々のBGMはサ…

いずれの意味でも尻を叩かれたんである

6月11日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて『肉対の学校』(65年東宝)を観る。監督、木下亮。三島由紀夫原作のシニカルな恋愛ドラマとフライヤーに。岸田今日子演じる離婚成金の貴婦人が地下クラブの若い男娼にのめり込む顛末をほとんどこの一組のカップルだけを追いか…

同情から始まる愛情はR指定である

6月3日、上野オークラにて『性戯の達人 女体壺さぐり』(OP映画)を観る。監督、園子温。『愛のむきだし』の園子温が90年代半ばに残した貴重な低予算ポルノである。山村の工房で夫で師匠の陶芸家テツヤと共に壺作りにはげむ妻ナミエが主人公。半病人の…

国産初のストリートギャルなんである

近所のモスバーガーで読売新聞をパラパラめくる度にどうも気になる一行が。ラジオ欄の片隅にレインボータウンFMというミニFM局の番組表がある。毎週木曜夕方6時に『三東ルシア』とだけ番組名がクレジットされているのだが。普通に考えて女優の三東ルシ…

上原舞主演で舞台化すべきである

5月17日、渋谷ユーロスペースにて石井裕也監督作品『川の底からこんにちは』(09年PFFパートナーズ)を観る。主演、満島ひかり。『愛のむきだし』で注目を浴びた新進女優のセカンドステージであるが。満島ひかりの素のトークを私は見たことがないの…

指の腹さえビジュアルなら可である

5月9日、大塚レッドゾーンなるビジュアル系のライブハウスに。普段はどんなバンドが出演しているのかとスケジュール表を見ても私なぞには犬神凶子しかわからない。半月前にチケットを買い求めに来た時もその種の若者客らに補導員を見るような目で敬遠され…

落語界のプリンスは二人いたんである

4月19日、神保町シアターで『進めジャガーズ 敵前上陸』(68年松竹)を観る。本作はビートルズの『ヘルプ!』を演芸場で再現した歌謡映画といった感。小林信彦が別名で書き下ろした脚本もギャグてんこ盛りで楽しい作品なのだが。 昨年ジャガーズのリー…

もう誰にもむかれたくないんである

3月18日、早稲田松竹にて『愛のむきだし』を観る。昼過ぎに劇場の前まで出向くと満員の看板が。チケット売場で係の女のコに次回も立見になりそうですがと言われいったん引き返す。中野ブロードウェイをウロチョロしながら園子温やったじゃないかと。没2…

週刊大衆は日本のNMEである

3月16日、フィルムセンターにて『乾いた湖』を観る。60年、松竹大船作品。監督、篠田正浩。脚本、寺山修司。寺山修司は当時注目され始めた歌人であり本作で脚本家としての第一歩を踏み出した。と、同時に本作で不良女子大生を演じる九篠映子とは後に結…

ロングおじさんにダマされたんである

3月7日、近所の激安ビデオの店にて『ヘリウッド』を八百八十円で入手。82年シネマプラネット制作。当時流行だったパーティー・ムービーというか。斉藤とも子、羽仁未央、佐藤B作、篠原勝之、小暮隆生と当時有名、後に有名になる面々が手弁当で盛り上が…

タケチュウは断りきれない男である

2月25日、目黒シネマにて『僕らのワンダフルデイズ』を観る。監督、星田良子。竹中直人演じる平凡な会社員が末期ガンで余命半年と知り高校の同級生たちとバンド活動を再び始める。というストーリーがテレビや雑誌のプロモーションではほぼそのまま広まっ…

パンチョと指差す勇気もないんである

1月28日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて『恋の季節』を観る。監督、井上梅次。ロビーに快楽亭ブラックの姿が。たまたま出かけた映画館でブラックがすぐ近くにという体験はこれで三度目になる。他に街で二度三度すれ違う有名人には伊集院光、塚本晋也がいるが当然…

姫も十六、童も十六である

2月18日、目黒シネマにて『空気人形』を観る。監督、是枝裕和。主演のぺ・ドゥナは去年の東スポの映画大賞で主演女優賞を受賞した。空気人形とは今で言うラブドールのこと。板尾創路演じるファミレスのウェイターが安アパートの同居人に選んだ六千円弱の…

すべてはここでファールしたんである

2月1日の映画サービスデーに『今度は愛妻家』を観に行くつもりだった。で、観に行った。薬師丸ひろ子がいつの間にか熟女AV女優の城エレンみたいな年の取り方をしていたが。その『今度は愛妻家』を観るための予習のつもりで近所の激安ビデオの店で『きら…

ドサクサまぎれの君はわが運命である

1月20日、シアター上野にて千葉なぎさを観る。受付のおばちゃんに今日は誰を観にと問われウン、なぎさちゃんをと答えたが。集客力のあるタレントならばまた呼ぼうと思っているのかと。シアター上野には初参だったが予想を下回る戦後のドサクサ感というか…

俺の涙は俺が拭くんである

12月21日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて“歌謡曲黄金時代1960”『二人の銀座』を観る。タイトル通りの直球歌謡映画特集である。本作に登場するヤング&フレッシュなる新人GSバンドはスパイダースやブルコメの後輩でジャズ喫茶を中心に活動中。と、いうのは…

住田家は普通の人々じゃないんである

12月19日、また近所にできた激安放出品ビデオの店を物色。『竹中直人の普通の人々』を百円で入手。発売はケイエスエスから16,274円。90年代初頭の作品らしい。当時セルでもレンタルでもあまり触れた人のいなかったはずの本作だが内容は濃い。作…

世界のデブは親日家気取りである

12月17日、下高井戸シネマにて『THEダイエット!』(07年オーストラリア映画)を観る。監督、関口祐加。89年にパプアニューギニアの日本軍従軍慰安婦を扱ったドキュメントで世界的に注目された関口監督はオーストラリア在住28年の半分、いやほ…

お子様の夢の原産地は石川県である

12月9日、池袋のブックオフで『太陽戦隊サンバルカン』のビデオを入手。第一話から第三話までが収録された巻でヘドリアン女王はクレジットのみ。81年の2月から82年の1月まで放映されていた本作を当時中学生の私は毎週観ていた。それまでの戦隊シリ…