2017-01-01から1年間の記事一覧

本作にはまさしくあの頃の空気が

11月4日、『夏の終り』(12年 クロックワークス)をDVDで観る。公開時に劇場で観たがその時は何度でも繰り返し観直したい作品だとはあまり。ところが今になって本作を何度も繰り返し観たくなった。パンフレットの表紙裏には2012年『夏の終り』制作委員会とある…

20年ぶりに触れたこの最新作と

11月3日、BRAHMANの『今夜/ナミノウタゲ』(17年 トイズファクトリー)を聴く。96年に結成し現在も活動を続けているBRAHMANの音楽に私が初めて触れたのは世にマキシシングルなるものが出回った頃。既に三十面下げてレンタル店でアルバイトをしていた私の周囲…

橋本治もすっかりオールドボーイか

10月20日、橋本治 著『バカになったか、日本人』(集英社文庫) を読む。本書は作家、橋本治が2011年から2014年まで主に『週刊プレイボーイ』誌上に発表した時事コラムを再編集したもの。週プレの論客といえばプロレスで言うマット界の裏を知り尽くした人物の…

期待の新鋭の決定打になりそうな

10月17日、阿部共実 著『月曜日の友達①』(小学館)を読む。前作『ちーちゃんはちょっと足りない』で漫画界の本屋大賞にあたる″このマンガがすごい!2015オンナ部門1位″を獲得した阿部共実の最新作。現在も『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて連載中。期待…

ももクロにも以前からメタル的要素は

8月22日、ももいろクローバーZの新曲『BLAST!』を聴く。ジャケット上はアーティスト名も英語表記の本作。通常盤のジャケ写はメンバー全員持ち色のスポーツウエア姿だが豪華盤では黒を基調にしたレザー仕立ての忍者姿のものもあり明らかにBABYMETALを意識し…

著者と同世代の私には黙々と読ませる

8月20日、スージー鈴木 著『サザンオールスターズ 1978-1985』(新潮文庫)を読む。本書は66年生まれの音楽評論家である著者が小学生時代から聴き惚れてきたサザンの魅力と足跡について検証したもの。著者と同世代の私には黙々と読ませるもうひとつの″ニッポン…

つまり自作の海賊版をみずから再産して

8月17日、水木しげる著『姑娘』(講談社文庫) を読む。本書は漫画家、水木しげるが貸本時代に残した軍記もの4篇に主題作『姑娘』を加えた編集版。但し初期作品はどれも画が荒く不鮮明。同様の荒っぽい仕上がりの貸本時代の全集が地元の図書館にもあるのだが。…

ともすればこれが見納めという主旨も

7月22日、鹿嶋勤労文化会館にて岡林信康弾き語りライブ2017を観る。フォークの神様こと岡林信康は3年前より弾き語りツアーを始めた。きっかけはデビューの頃からの付き合いだったカメラマンの突然死だとか。自身にまだやり残した仕事はあるかと問い質した後…

今観ても充分スマートでカッコいいと

5月24日、『RCサクセション AT BUDOHKAN』 (ユニバーサル ミュージック)を観る。本作はRCサクセションの第一回目となる日本武道館公演の模様を収めたもの。81年12月24日のこのステージは翌年フジテレビで『愛しあってるかい? RC at 武道館』という一時間の…

70年代初めに百花繚乱の盛り上がりを

5月20日、隔週刊『円谷プロ特撮ドラマDVDコレクションvol.22「ミラーマン」第16話 人形怪獣キンダーを追え!』(ディアゴスティーニ) を観る。監督、東絛昭平。70年代初めに百花繚乱の盛り上がりを見せた特撮ヒーロードラマの中でも特別な存在だった気がするミ…

本作ではこの田中眞紀子ギャグが定番

5月14日、町田康 著『猫のよびごえ』(講談社文庫) を読む。04年から刊行されてきた著者の猫エッセイも13年に終了しこの度文庫化されたこれが本当の最終巻。前作『猫とあほんだら』のあとがき始めに「伊豆半島で毎日、猫と遊んで暮らしている。というときわめ…

業田良家はやはり強情張りの職人肌か

5月5日、業田良家著 『男の操』 (小学館) を読む。本作は13年に『機械仕掛けの愛』で手塚治虫文化賞を受賞した著者が03年より『ビッグコミック』に連載し06年に単行本化されたものを再編集した改訂版58年生まれの著者、業田良家は23歳で漫画家デビューし、25…

その辺の大友チルドレンより一皮も

2月25日、うめざわしゅん 著『うめざわしゅん作品集成 パンティストッキングのような空の下』(太田出版)を読む。″不世出の天才、うめざわしゅん。2001年〜 2015年にわたる傑作読み切りを9編収録″と記された帯文には漫画界のみならずカンパニー松尾、末井昭、…

その辺の大友チルドレンより一皮も

2月25日、うめざわしゅん 著『うめざわしゅん作品集成 パンティストッキングのような空の下』(太田出版)を読む。″不世出の天才、うめざわしゅん。2001年〜 2015年にわたる傑作読み切りを9編収録″と記された帯文には漫画界のみならずカンパニー松尾、末井昭、…

そもそも勝ち馬には乗らない気質の

2月18日、三田完 著『不機嫌な作詞家 阿久悠日記を読む』(文藝春秋 ) を読む。本書は作詞家、阿久悠をアシストしてきたオフィス・トゥ・ワン所属の作家、三田完による阿久悠日記の解読書。累計七千万枚のレコード売り上げを持つ作詞家の日記ゆえに本書はその…

なんちゃあない話を悪く思わないで

2月10日、安倍夜郎 著『なんちゃあない話 』を読む。本書は人気コミック 『深夜食堂』の作者、安倍夜郎が故郷である高知県、幡多郡のフリーペーパーに連載していた東京発地域密着エッセイ。41歳でデビューしてヒット作をものにした現在、ともに壮年期に差し…

本作はいまおかしんじ版あまちゃん

1 月31日、上野オークラにて『感じるつちんこ ヤリ放題!』(OP映画)を観る。監督、いまおかしんじ。本作は今やピンク映画の巨匠になりつつあるいまおかしんじの最新作。ヒロイン園子役に涼川絢音を迎えて不可思議な下町人情グランギニョールを展開する。主人…