2011-01-01から1年間の記事一覧

ダフ屋につかみかかり袋叩きにあう男

11月27日、最寄りの図書館にて『素晴らしき日曜日』(47年東宝)を観る。監督、黒澤明。戦後まもない東京のドヤ街を二人合わせて三十五円の所持金を持ち寄って「ランデブーしよう」とする貧しい男女。主演の沼崎勲と中北千枝子はいくら貧しいカップルを演じ…

あからさまに男の色気を大蔵ざらえで

11月7日、『ボクサー』(77年東映)をDVDで観る。監督、寺山修司。77年の清水健太郎はもちろん健太郎カット。『探偵物語』ゲスト出演時にボクサー役で登場した時はヘビー級?などと松田優作にアドリブで茶化されるほど幸せ肥りのシミケンだったが。本作で…

あの頃の都会派女性シンガーに近い

11月5日、『サイドカーに犬』(07年フィルム・パートナーズ)をDVDで観る。監督、根岸吉太郎。本作の時代設定は80年代初め。街の景色には今風のワンボックス車など映らないよう配慮されている。駄菓子屋の自販機やガチャポンもきっちり当時の空気感を伝え…

自由に歩いて愛したら良いのか

11月3日、『セーラー服と機関銃』(81年キティ・フィルム)をDVDで観る。監督、相米慎二。132分の完全版であるが相米作品の全13作を全編完全版でどこかでかけてもらえないものかと。公開時にはしょったシーンというのは恐らくアイドル映画の枠ではあまり…

子供が人気アイドルじゃなくて

10月1日、ツタヤのセルコーナーでティアラのボピボピを買う。現行のアイドルの最新シングルを自分のために入手したのは十何年振りか。K−POPなんて本当にいいと思っているのかと問われるとそこは灰色層。通常盤でよろしかったですかとカウンターで店員に…

花形選手の森田水絵に勝利して

9月30日、ツタヤで借りた『はみ出しスクール水着』のDVDを観る。80年代半ばのとあるろくでもない休日の昼下がり大塚名画座の地階で家主のエイチと観たような。地下の劇場に続く階段の踊り場に主演女優、清里めぐみの等身大パネルが飾ってあったような。そ…

只もうそれどころじゃない大事件が

9月23日、宮沢章夫著『ボブ・ディラン・グレーテスト・ヒット第三集』を読む。01年9月の西新宿にて中古レコード店を営む中年男とその仕事仲間たち。自らに酒乱の気があることが不安な中年店主がある日血まみれで帰宅。その日歌舞伎町で風俗店への放火事件が…

あなたが我々と毎晩つるんでいた頃

9月17日、荒木経惟=写真、町田康=小説『俺、南進して。』を角川文庫で読む。奇跡のコラボレーション!革新的な写真小説の誕生と帯に記されるように町田康の中編小説とそれを映像化したようなまったく関係ない観光写真のような荒木経惟の写真群とのコラボ。…

私の記憶の中の最もピンピンの

8月27日、この夏の一番の思い出はなどと問われても勿論バカンスめいた出来事は何もなかったのだが。少しは夏休みらしいネタを掘ってみようかとツタヤで『ゲゲゲの鬼太郎60S』を借りる。68年放映の白黒作品で制作はフジテレビ。私の手元に08年放映の鬼太郎の…

フォーキーな四畳半ドラマに移行して

8月20日、ツタヤで借りた『俺たちの勲章』のDVDを観る。Gメンが苦手な小学男子だった私がその頃どんな刑事ものに憧れていたのかといえば俺勲だった。トランザムの音楽にも震えた。ビートルズの『レット・イット・ビー』の間奏がトランザム風でよいなどと…

レコードは物好きなつもりでいる私も

8月12日、ツタヤで『Gメン75』のDVDを。6月28日に亡くなったセーラ・ロウェルさんが観たくなって。『新Gメンの罠はヌード金髪死体』の回でシンガポール警察潜入捜査官、マリコ寺岡刑事役でセーラは初登場するのだが。当時のセーラはまだマスコットガ…

いつぞやそうしたディレタンティも

8月9日、図書館で『猟盤日記』戸川昌士(ジャングルブック)を借りる。私の自宅から自転車で30分程の所に『来多狼』なるリサイクル商店がある。以前にフラリと寄った際にレコードコーナーに田端義夫やフランク永井のオリジナルアルバムや80年代ディスコの編…

終始ブス暮れた冷血振りを観ている

7月10日、『トルソ』(09年トルソプレゼンツ)をDVDで観る。監督、山崎裕。都心の結構なマンションに一人暮らしの三十路女を演じる渡辺真起子には一回り下の妹がいる。こちらを演じるのは安藤サクラ。妹はアパレル関係でそこそこのキャリアを持つが現場で…

家長は小林亜星、妻は加藤治子

7月3日、図書館にて向田邦子ドラマシリーズ『眠る盃』(昭和60年TBS)を観る。このシリーズを今ではなかなか再観できない向田ドラマが観れるとありがたがっていた私だったが。本シリーズは向田邦子の死後に企画の持ち上がった追悼番組なのだった。向田邦…

彼女の川田へのアプローチというのが

6月28日、いまおかしんじ監督作品、『たまもの』(04年新東宝・国映)をDVDで観る。主演、林由美香。舞台はとある漁村。林由美香演じる失語症のプロボウラー愛子は根城にするボウリング場のオーナーと不倫関係にある。が、ある日知り合った郵便局員の若い…

ついに千葉なぎさが登場。したまでは

6月25日、ご近所の、といってもチャリで20分弱かかるコンビニにて週刊大衆を。先だって立ち読みしてギクリとした企画物グラビア、ザ・ストリッパー舞姫伝説第319回についに千葉なぎさが登場。したまではよかったがインタビュー記事をよく読むと14年踊ってき…

デカイっちゃ全部デカイけどそれでも

6月3日、森田芳光監督作品、『ピンクカット太く愛して深く愛して』(83年日活)をDVDで観る。主演、伊藤克信。いやピンク映画のメインはあくまで女優であるから本作の主演はポルノ界の聖子ちゃん、寺島まゆみとポルノ界の百恵ちゃん、井上麻衣か。 当時十…

忘れてた方がよかったんじゃないのと

5月27日、タナダユキ監督作品、『俺たちに明日はないッス』をDVDで観る。08年公開、制作は小学館。海沿いのとある田舎町にうごめく無目的な高校生らの70年代風青春群像ドラマ。 オープニング、海辺の物置小屋の中で柄本時生演じる主人公が同級生の女子の…

ザ・ヒューズのデビュー盤のみを

5月15日、今のところ自宅周辺にはここ1件しかない大変ありがたい古書店、その名もジパングに向かう。店内には子連れの主婦が2組と男子高校生が2名、女子高校生が1名それぞれコミック棚やゲーム棚をウロウロしている。私も何となくCD棚に陣取り掘り出し物を…

吉田栄作や江口洋介は五百円前後で

5月11日、市役所前の通りをプラついていると前から気になっていた古書店がようやく復旧していたので闖入。学習塾の1階フロアを利用したコミック、ゲームソフト中心の中高生向きの品揃え。都心にもよくあるスタイルの。塾長が客寄せも考えて開いたものなのか…

これがたまらんのだよ君ィと歓喜する

4月13日、『へそくり社長』(56年東宝)をDVDで観る。オープニングで森繁社長宅へと丸々太ったダックスフンドを連れ帰る女中の足元はブロック敷。越路吹雪演じる社長夫人が朝食を仕度しているとジューサーミキサーが動かない。あらまた停電と夫人が弱るす…

と、ここまでが幸せの絶頂。三月、

4月10日、近所の図書館まで出向く。DVDコーナーに向田邦子のドラマシリーズが揃っていたので新春ドラマ『春が来た』(82年テレビ朝日)を観ることに。オープニングは談話室のような純喫茶で男女がお見合いのまねごとをする場面から。松田優作演じる営業マ…

遠回しに勧めても肉じゃが、シチュー

4月8日、DVDで『カレーのにおい』(2010年・アートポート)を観る。アートポートには青春Hシリーズという若者向けライトポルノのレーベルのようなものがあり本作はその第4弾だそう。私が本作を知ったのは昨年末に黒沢明特集を観に行ったフィルムセンター…

ここ一ト月同じ様な生活を送っていた

4月6日、夕刻のラジオニュースで本日午後未明に東京、江古田のマンションでボヤが発生、同じ頃に近隣のアパート内でも出火したが共に一人暮らしの三十代女性と四十代男性で特にケガもなく無事救出云々と。私はそれを聞いてこの男女は恐らくここ一ト月同じ様…

知らぬ存ぜぬは許されないという

2月28日、自宅から歩いて片道30分の所にようやく見えるセブンイレブンに。夕刊フジを買って帰る。芸能コラム面に復活してほしい音楽番組などとありつらつら読む。ランキングが第一位は『ザ・ベストテン』。第二位は『夜のヒットスタジオ』第三位の『ポップジ…

最近の雑木林ってエロ本落ちてない

2月27日、自家用車なしには生活が立ち行かない土地に移り住んだのにまだ普通免許もチャリも持っていない。先だって最寄りの銀行といっても車で1時間半もあるつくば学園都市のマイバンクに家族に送られ行ってみた。久しぶりにロフトもヴィレバンもある都市部…

円形脱毛症は案外パンクしている

2月7日、アパートの押入れに残った粗大ゴミを業者に引き渡すためだけに再度上京。約束の時間に必ず御本人様が直接などと電話口で念押しされたが。少し前に三十代の会社員がガンプラのコレクションを勝手に処分した同居の両親に腹を立て自宅に放火したとかい…

一番好きな男優はケンケンなのだが

1月21日、郷里の実家に転居するため荷物だけを日通の単身パックで運び出した後のこと。ま、映画でも観てから高速バスで帰るかと歩いて銀座まで。シネパトスにて代々木忠の「知られざる波乱の人生」をドキュメントした『YOYOCHU』を観る。思えば今から…

人間とは考える湯気だったんである

1月5日、渋谷ユーロスペースにて『海炭市叙景』を観る。監督、熊切和嘉。“村上春樹、中上健次らと並び評されながら文学賞にめぐまれず90年に自らの命を絶った不遇の小説家、佐藤泰志”の残した短編小説が原作である。が、五編のエピソードを並べたオムニバス…

ホメ殺した後が残った者の課題である

1月7日、渋谷ユーロスペースにて『ゲゲゲの女房』(2010年水木プロダクション)を観る。監督、鈴木卓爾。NHK朝の連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の映画版である。 テレビ版では極貧生活から水木プロダクションの黄金期までが描かれていたが本作の時間軸は…