2008-01-01から1年間の記事一覧

臨時ニュースは墓までトラウマである

地元のモスバーガーでコーヒーを飲みつつ日刊ゲンダイを読んでいると映画『GSワンダーランド』の紹介記事が。記者はジャストGS世代らしくファンタジーとしては充分楽しめる出来栄えとなかなか持ち上げている。それは益々映画が楽しみだなとは思った。が…

下手に待望論出せない男である

神保町キントト文庫にて入手した『竜二 映画に賭けた33歳の生涯』(生江有二 著)を読む。金子正次の生涯を映画化した『竜二 For ever』なる劇映画を観るための予習にと読みかけて結局予習も本チャンも中座していったのはなぜだったのかしら。 『竜…

天馬ルミ子の復活劇はスルーである

11月21日、フィルムセンターにて『源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶』(62年 東映)を観る。監督、伊藤大輔。原作、柴田錬三郎が生みだした美剣士、源氏九郎なるキャラクターを私は知らなかったが源氏九郎モノは本作で3作目であるから当時はまずまずの人…

恐るべきは今も現場監督である

11月19日、テアトル新宿にて「若山富三郎×勝新太郎の軌跡」、『御用牙』(72年東宝)を観る。つい先だって書店に平積みされていた松田優作の未公開写真集の中にパーティで勝新にキスされている優作のショットがあった。同時に勝新が実母の葬儀を終えた…

あの日はブルースで当分居留守である

11月1日よりシネマート新宿にて開催される「GS I LOVE YOU・グループサウンズ映画特集」を観に行こうかどうか。同特集は11月15日より全国ロードショーされる映画『GSワンダーランド』の前座的に企画されたもの。架空のバンド“ザ・タイツ…

映画を撮る側と切断する側の間である

10月22日、新文芸座にて「鬼才・加藤泰 情念の鮮烈と奔流」『緋牡丹博徒 お命戴きます』(71年東映)『緋牡丹博徒 花札勝負』(69年東映)を観る。客席はまずまずの入りで当然ながら中高年からもっと上の世代が中心だが若者の姿もぼちぼちと。 今時…

五十肩の女房は質入れ不可である

10月24日、TSUTAYAでレンタルしてきたDVD『僕は天使ぢゃないよ』を観る。74年にあがた森魚が制作した今で言うインディーズ映画である。横尾忠則、岡本喜八、大瀧詠一、緑魔子、泉谷しげる、山本コータローなどなど多数の各界アーティストが…

姥捨て山は毎日がサンデーである

10月23日、神保町シアターにて「昭和の庶民史・久松静児の世界」『南の島に雪が降る』(61年東京映画)を観る。映画監督、久松静児の一般的なイメージといえば昭和30年代半ばの喜劇・駅前シリーズか。森繁、フランキー、伴淳の登場するドタバタ人情…

あの頃の私に清水大敬は仲人である

以前にどこぞの古書店で入手して読まずにツンドクに置き放してあった新潮文庫『君を見上げて』(山田太一著)を何となく読むかと。この作品は平成2年11月新潮社より刊行された…そうであるから今から18年前か。別にその時代に今ムクムクと興味が湧いてき…

恐らく映画版『噂の真相』なのである

9月25日、TSUTAYAで借りてきた映画『星くず兄弟の伝説』をぼんやりと観る。80年代を代表するサブカル有名人総出演といった感のパーティ映画で製作はシネ・セゾン、監督は手塚真。主演の久保田しんご、高木完が当時のアイドル並に歌って踊ってズ…

眠りの坂道にすら家電が乱立である

9月21日、新文芸座にて「名匠 成瀬巳喜男の世界へ」『めし』(51年 東宝)と『山の音』(54年 東宝)を観る。どちらも成瀬作品の中では有名な2本立てなのであるが。成瀬特集に過去何度も足を運んでいたはずの私であるがどちらも何となく観たような観…

日本のチェーホフは案外こちらである

9月19日、シネスウィッチ銀座にて中原俊監督『落語娘』を観る。中原俊監督が自らの出世作『櫻の園』を今年リメイクするというニュースを知ったのは春ごろだったか。『櫻の園』は18年前に数多くの映画賞を受賞したし中原俊を一気にスター監督の座に押し…

渡り鳥は案外まめに帰るんである

8月29日、新宿ニューアートへ。もうこの場にニューアートの観劇記を書くのは何十回目だろう。が、今回はいつもと気構えが違うというか。週刊現代に連載中の高橋源一郎のコラム『おじさんは白馬に乗って』を読むとニューアートの潜入ルポが血気盛んに記さ…

我もまた東海道の雲助なんである

8月21日、銀座シネパトスにて『大魔神逆襲』(66年大映)を観る。シネパトスで企画もののレイトショーを観るのは久しぶりでは。以前のように精力的な企画をバンバン立てなくなったのは何らかの配置がえがあったからだろうか。 下北沢のシネアートンが最…

男のけじめに彼女は引いたんである

8月25日、池袋シネマ・ロサにて井口昇監督作品、『片腕マシンガール』を観る。井口昇のメジャー作品を観るのは初めてであった。前日にTSUTAYAで『愛の井口昇劇場』なるインディーズ時代の小品をまとめたDVDをレンタルして観たのだが。その中の…

俺の涙は俺が拭くんである

ビームコミックス文庫『いましろたかし傑作短編集』を読む。いましろ漫画をまとめてちゃんと読むのははじめて。本作は95年から02年の間に発表されたものを集めた文庫である。ので、すでに知る人ぞ知るカルト漫画家いましろたかしの看板はほぼ完成してか…

笑って許してまたお願いするんである

7月26日、シネスイッチ銀座にて岩松了監督作品『たみおのしあわせ』を観る。主演、オダギリジョー。オダギリ演じる民男が何の仕事をしているのか映画では最後までわからない。民男の父、伸男が田舎町の物流センターのような所で働く場面は何度も出てくる…

誰かの予言が当たる時なんである

7月16日、神保町の中古ビデオショップを物色。仕入れ日を先読みしたマニアが開店前に並ぶほどの濃厚な中古ビデオショップが付近にあったのだが最近クローズしてしまった。そこは品揃えばかりか値段も不気味なまでに良心的な店であった。が、それに負けじ…

小染師匠も最後列で観てたんである

7月9日、神保町シアターにて『ヤングおー!おー!日本のジョウシキでーす』を観る。73年東映作品だが公開後まったくお蔵状態だった幻の映画だったとか。そんなレアなものならぜひにもと思ったのだが。 内容は当時の東映ポルノ女優と吉本若手(当時)芸人…

三原順子とパチスロ打ち放題である

週に一度は利用する近所のサウナビルでほとんど毎日顔を合わせる中高年男が何人かいる。その内の一人が従業員の若い女性を気に入っているようでいつも何かしらとりとめのない話題を持ちかけて立ち話をしている。公衆浴場であるから裸は当たり前かもしれない…

レーニン俳優が私のレーニンである

映画『実録 連合赤軍あさま山荘への道程(みち)』を4月27日にテアトル新宿で観た。この場で取り上げたつもりになっていたが取り上げてなかったので。別にお前ごときが取り上げようが取り上げまいが連赤の評価に何の影響があるかいと言われる前からわかっ…

シックスティーナインに復活愛である

6月24日、ラピュタ阿佐ヶ谷にて「脚本家 白坂依志夫」なる特集の『盲獣』(69年 大映)を観る。監督は増村保造、原作は江戸川乱歩。天才脚本家、白坂依志夫の天才振りを見せつけられる秀作である。 登場人物は変態芸術家である盲獣とその母親、そしてそ…

五社英雄は遠くになりけりである

6月20日、シネスイッチ銀座にて『丘を越えて』を観る。監督 高橋伴明、脚本 今野勉、原作 猪瀬直樹。昭和初期の文壇を描いたレトロ遊園地のような娯楽劇といった意欲作。西田敏行演じる菊池寛の秘書であり作家の卵である下町育ちのテキ屋の娘、葉子役に池…

色づく街に今ごろ赤面したんである

6月2日、つのだひろの「ミュージックプラザ」に聴き入りつつ自宅でうだうだ過ごす。ウガンダ・トラとショーグンのキーボード奏者が他界したとか。ショーグンといえば芳野藤丸のデビューのきっかけは自分が作ったのだという話に感心したり。何かあのバンド…

墓には唾より領収書責めである

深夜寝しなに懐かしドラマをDVDで観る習慣が続いている。近頃は『悪魔のようなあいつ』を。本作は三億円事件をテーマにしたアクションドラマで三億円事件時効成立にあたる75年に放送されてから一度も再放送されていない。 私はその本放送を観ていないの…

今ひとたびゲンナリしたんである

5月22日、神保町シアターにて「特集 大映の女優たち」『氷壁』(監督=増村保造 58年)を観る。脚本は新藤兼人。前穂高岳北壁の転落事故に端を発するサスペンスタッチの恋愛ドラマとはパンフより。その後に監督四本目の増村が放った大ヒット作品と続く…

案外そろそろ帰ってくるんである

5月21日、テアトル新宿にて『タカダワタル的ゼロ』を観る。監督は白石晃士であるがタナダユキ監督による前作『タカダワタル的』とかぶる映像も所々。続編を撮ることになったとて高田渡に本当に帰ってきてもらうわけにもいかないので仕方ないか。 吉祥寺ハ…

心情ややあの時を忘れないんである

5月15日、白山辺りを宿酔いでウロチョロする内に便意をもよおすが。似たようなシチュエーションでトイレを探し求めるがあと一歩で失禁しノーパンで人目を忍び小走りに帰った過去も何度かある。またノーパンか、歌謡ロック期のチャーみたいで格好いいかと…

あなたに少女Mに謝罪したいんである

「ウック、大丈夫怖くないからね」などとうめきつつ30代半ばの即席男優が10代半ば過ぎの女優の上で尻を上下している画面でさすがにゲンナリして停止取り出し。昨晩酔った勢いでレンタルした少女モノAVは予想以上にガチな内容。パッケージ上の設定では…

思い出には伸び悩んで欲しいんである

双葉文庫名作シリーズ、山田芳裕短編集『泣く男』を読む。99年6月に発行されたコミックスの文庫版である。収録作は全9作品で内2作は原作ものの時代劇である。本作の後に発表されたのがあの代表作『やぁ!』である。思えば当時の山田芳裕の筆力におのの…