2013-01-01から1年間の記事一覧

ある日フイに映画を作りたい情熱が

11月17日、長谷川和志 著 『アビル少年映画をつくる?―多分これから―』(ビッグコミックス)を読む。本作は『ビッグコミックスペリオール』に13年第5号から連載された第1幕から第9幕までをまとめた単行本第一巻。関西地区のどこか田舎町にあるひなびた学園が…

今のところ『湖愁』の音源を入手するには

11月15日、『国民的名曲のすべて ふるさとの歌謡曲』(日本コロンビア)を聴く。コロンビアからの編集盤なのにビクター専属だった松島アキラの『湖愁』が収録された珍盤。NHKのラジオ深夜便で『湖愁』が一度流れて以来耳に残っていた私は上野の有名な演歌…

やはり山田花子の目指すところはこっち

11月14日、地元の図書館で借りた『イルカ全曲集』を聴く。オープニングは『Follow Me』、真中辺りに秋元康と林哲司のコンビによる『もう海には帰れない』が収録されてエンディングは『なごり雪』であるから大体デビューから80年代半ばくらいまでの作…

ガラス張りでいこうと決をとったら

11月11日、香山リカ著『ポケットは80年代がいっぱい』(07年バジリコ株式会社)を読む。精神科医であり政治、社会各方面の評論で活躍する香山リカの自叙伝であり80年代(特に前半の)サブカルチャーを臆せず振り返った貴重な考察。本書に登場するさまざまな8…

なべおさみ演じるチンピラ青年の

10月7日、『吹けば飛ぶよな男だが』(68年松竹)をDVDで観る。監督、山田洋次。万博開催に向けて沸き立つ大阪の歓楽街。なべおさみ演じるチンピラ青年の仕事はブルーフィルムのスカウトマン。緑魔子演じる九州からの家出少女は「ぶっつけ本番」で強姦シー…

そして阿久悠も二作品を提供している

10月4日、坂本スミ子ファースト・ゴールデン・アルバム『夜が明けて』(72年ソニー)を聴く。『たそがれの御堂筋』、『夜が明けて』などのヒットによりオスミの愛称で親しまれていた流行歌手時代の坂本スミ子の初アルバム。タイトル曲『夜が明けて』のヒット…

お子様ランチなパッケージングに

10月2日、『愛と希望の街』(59年松竹大船)をDVDで観る。監督、大島渚。昭和30年代の川崎工業地帯、駅前で鳩を売る貧しい少年と裕福な少女との心の交流と格差ゆえの決別を描く。主演の鳩を売る少年役、藤川弘志は前時代がかったルックスながらもひたむき…

そもそもオシャレじゃないと何が

10月1日、みうらじゅん『その昔、君と僕が恋をしてた頃』(角川文庫)を読む。漫画家、みうらじゅんのデビュー前後から80年代、90年代と最先端を行くような最後尾に連なるような変拍子の青春を赤裸々につづる自叙伝である。80年代初頭にガロ系漫画家としてデ…

そのオーケンを町で見かけたかも

9月3日、大槻ケンヂ著『人として軸がブレている』(角川文庫)を読む。07年に筋肉少女帯を再結成した頃のオーケンの四十路ライフの始まりを記したエッセイ集。酒に酔うのも面倒くさくなったし本も映画も観たいしといった寄る年波の愚痴話は二十代の頃の著書…

10年後には連ドラで再ブレイク

9月2日、『台風クラブ』(85年 ディレクターズ・カンパニー)をDVDで観る。NHK連ドラ『あまちゃん』を何だか相米慎二っぽいなぁ、特に『台風クラブ』っぽいと思いつつ毎朝観ていたので。具体的に『あまちゃん』のどこが相米的なのかといえばまず薬師丸…

青山学院大学という所はとても

9月1日、フラワー・トラベリン・バンドの『SATORI』(98年ワーナーミュージック)を聴く。71年に発売されたフラワー・トラベリン・バンドのセカンドアルバム。GS好きの私は内田裕也率いるフラワーズは聴いていてもその後メンバーチェンジし世界進出…

風コーラス団は元々ポプコンの裏方

8月31日、風コーラス団の『愛色の季節』(13年 SOLID RECORD)を聴く。75年にヤマハのポプコンから誕生したソフトロックバンドでプロデュースは細野晴臣と銀座山野楽器のポップには書いてあったがどうも編曲と楽曲提供に加わっただけのよう。一時一緒に仕事…

団鬼六先生が亡くなくなって残念よね

7月22日、キノコホテルの『マリアンヌの恍惚』を聴く。発売は11年4月6日。同じGSバンドのザ・シャロウズのデビュー盤が発売されたのは同じ年の3月でおそらく当初は記念イベントも何もあったものじゃなかったはず。ザ・シャロウズもその後はどうなったのか…

70年代の花の妖精に40年後の今

7月6日、フラワー・メグの『ささやき・ためいき・もだえ 第二集』(13年Hotwax)を聴く。70年代初頭マスコミ中の話題をさらったお色気アイドル、フラワー・メグが残した貴重な音源、『ささやき・ためいき・もだえ』の復刻に刺激されてか40年ぶりに活動…

そう小沼監督にいわせれば小沼演出は

7月17日、小沼勝 著『わが人生わが日活ロマンポルノ』(国書刊行会)を読む。映画監督、小沼勝の生い立ちから青春期を、苦闘の助監督時代からロマンポルノの創生期、そして終焉までを自ら綴った自叙伝である。小沼勝は現在76歳。“膀胱ガンやら腰椎病やらで二…

これこそAKIKOの磁力なのか

7月3日、岩波ホールにて『そしてAKIKOは…〜あるダンサーの肖像〜』(12年 自由工房)を観る。監督、羽田澄子。本作は85年に羽田監督が現代舞踊家のアキコ・カンダを撮った『AKIKO―あるダンサーの肖像―』の25年越しの続編にあたる。85年には40代だ…

加瀬亮のストイックな容貌は本作に

6月6日、東劇にて『はじまりのみち』(13年松竹)を観る。監督、原恵一。映画監督、木下恵介が戦時中に発表した『陸軍』の内容が国策映画として制作意図に反すると政府に睨まれる。その後仕事を干された木下は松竹に辞表を残して郷里の浜松に引きこもる。戦…

ジャケ写のうつろな表情にも苦労が

5月27日、ツタヤの演歌コーナーにて買い求めた森山愛子の新曲『約束』を聴く。今月のイチ押しといったふうに目立つ棚にごっそりディスプレイされていたので森山愛子ってもうそんな中堅層なのかとおののく。私は以前に巣鴨の演歌系CDショップの店頭キャンペ…

こんなことしてもいいのかと公開当時

5月25日、『ヒミズ』(12年ギャガ)をDVDで観る。監督、園子温。本作は11年4月25日の被災地にほど近い架空のローカルタウンを舞台に始まる。実際にロケが開始されたのは同年5月下旬。まだ瓦礫の広がる荒地の前で俳優が演技する。『男はつらいよ』のシリー…

しかしアルタミラ作品のそれは大人も

5月21日、テアトル新宿にて『オース!バタヤン』(13年アルタミラピクチャーズ)を観る。監督、田村孟太雲。先月25日に他界した歌手、田端義夫を05年の大阪公演から追いかけた記録映画である。メインは浜村淳の名司会と共に進行する翌年のステージの模様。合…

しかしあの山咲小春はどう見ても

4月29日、上野オークラ劇場にて『美女濡れ酒場』(OP映画)を観る。前回上野オークラを訪れた際の予告ポスターとチラシに本作を見つけ主演、山咲小春というクレジットにひくとなったのだ。山咲小春って90年代半ばに活躍した人気モデルじゃないかと。まだピ…

いやもうお金のことはこの際などと

4月18日、丸の内ピカデリーにて『舟を編む』(12年 松竹)を観る。監督、石井裕也。05年にぴあフィルムフェスティバルでグランプリを受賞した後に09年には『川の底からこんにちは』でブルーリボン賞監督賞を受賞した石井監督はまだ30歳。『川の底から…』と続…

客席にただ一人宝島系ファッションで

上野駅池之端近くのツタヤに寄るとサブカル漫画コーナーに蛭子能収、根本敬らと並んで山田花子の『改訂版 魂のアソコ』があった。これを入手してしまうと私の元には山田花子の著書はすべて揃ってしまう。そうなるともう触れたことのない山田漫画は一巻もなく…

まだハッテンバ的な体質も残って

4月17日、上野オークラ劇場にて『淫らなお姉さん たくさんかけて!』を観る。監督、池島ゆたか。80年代末頃のエクセス作品で主演は岡崎結由。当時人気のAV女優。芸名からしてあの頃のアイドル歌手のフェイクだし眉毛も雪ダルマ状にくっきりと濃い。男優陣…

もっと昔のものならと『新人類図鑑』の

3月7日、銀座シネパトスにて『インターミッション』(13年オブスキュラ)を観る。監督、樋口尚文。映画批評家の樋口尚文が今月末に閉館する銀座シネパトスを舞台に撮ったパーティ映画だ。80年代半ばから批評家として活躍してきた樋口尚文の監督デビューを応…

踊り子よりもまず番頭だ

3月2日、『つげ義春の蒸発旅日記 ディレクターズカット版』(12年ワイズ出版)を観る。監督、山田勇男。映画は03年に完成しその後劇場公開されたが本作はそれを監督自身が再編集しDVD化したもの。御座敷ストリッパー役で出演している藤野羽衣子は本職の踊…

なにぶんさみしがりやの荒木一郎の

2月28日、『荒木一郎 スーパーベスト』を聴く。オープニングは『空に星があるように』。教科書に取り上げられてもおかしくない名曲である。『上を向いて歩こう』に比べて随分評価低いなと感ず。シンガーソングライターのはしりとしての荒木一郎は随分と評価…

あの頃、日雇いスパイラルの真只中に

2月27日、『エンドレス・ワルツ』(95年松竹)をDVDで観る。「松竹90’Sあの頃映画」と題された廉価版シリーズの中の一本。95年はもう「あの頃」かとキャストを確かめると主演は町田町蔵。他に相楽晴子、室田日出男、古尾谷雅人などの面々も連なって。監督…

80年代後半のこと、まず処女を60万で

1月22日、『監督失格』をDVDで観る。去年リリースされた劇映画でAV監督、平野勝之と女優、林由美香のプライベートを綴ったドキュメント。監督が不倫相手の林由美香を北海道までの自転車旅行に連れ出し道中泣いたり笑ったりつい手を上げたりすぐ謝罪した…

試合シーンではドカッ、ボスッなどと

1月20日、『ビューティ・ペア 真赤な青春』(77年東映)をDVDで観る。監督、内藤誠。公開当時十代の少女たちに人気だった全日本女子プロレスの看板タッグ、ビューティ・ペアの架空ドキュメント。試合シーンではドカッ、ボスッなどと仮面ライダーのような…