太眉写真即刻処分である

 このまま行くとゴミ御殿だなこりゃ。と、古雑誌、古ビデオ、出さなかった手紙の山々に囲まれた私宅に思わずため息。よく見れば積み上げた本の重みでカラーボックスの骨の部分がへしゃげ折れて今にも抜け落ちそうである。カラーボックスを部屋全体にあてはめて考えることはできまいか。できる。このまま下手打ち続けゴミ御殿化が進行しつづければ床下の骨の部分がへしゃげ折れて今にも抜け落ちそうになる。抜け落ちてもいいのよ。俺はいいのだけど階下には大家宅の食卓があるわけで、そこへドリフのコントよろしく正座状態でズボッと抜け落ちられれば何も問題ない。が、多分それくらいの騒ぎじゃすまないだろうと。死人が出るだろうと。以上の場合何の罪も過失もない人間の生命が踏みにじられ、ふざけたヘンクツ者が惨事の後をオロオロするのが定番。そうしたニュースを見るたび怒りに身震いする私であるからここは早速行動開始といっちゃおう。

 死人が出る、出るのと思えばそれまで捨てるに捨てられなかった雑誌の山もイキなスクラップ集もガンガン捨てられるものだ。カワセミ書房に電話しなくていいのかとも一瞬思ったが人の命に関わる問題なので今回はパスって作業フルスロットルで。結局床の四分の一を占拠していた古書群を半半日かけて速やかに持ち出し捨てた。これで良かったのだ、これで。しかし作業の途中でやはり何度も手は止まりもした。主にアイドル系雑誌をやっつけている最中に。80年代の末期に私のアイドル熱はピークに達していたらしい。ボムやスコラは勿論「BOO!」や「よい子の歌謡曲」やらそれ以外の学生主催の一回こっきりのファンジンなどもとろろ昆布状態のホコリの中から発掘された。それらの80年代末のアイドル誌をめくりつつ気づいたことは、この頃のアイドルの眉の太さである。多分石原真理子や伊藤かずえの影響である。皆太眉ゲジゲジいわせて得意そうなんである。中村由真なんか元々うぶ毛程度の眉に思い切り眉書いてバカ殿化している。西村知美は書いちゃった眉を恥じ気に前髪でひた隠している。当時の流行に余りズッポシはまらない方が生き残っていく訳だなと思いかけたが、中山美穂は思い切り書いている。いや書いてない。初めから太眉。太眉時代があるかないかで世代がクッキリ分かれそうである。それにしても今時ケミカルウォッシュのGパンにポロシャツのエリを立ててる男など煮ても焼いても食えないのと同様に、この女には何を言っても無駄だと思わせるお荷物姉さん達の眉が今ももれなく太い。社会主義者だなと決め付けているが。