もうワンステージ演りたいだけである

 エイチからの久々の強制ネタは男性化粧品のオルタスときた。ブラバスじゃなくてオルタス。あのクリーム色の容器の。80年代初頭にやや人気のあった。たしかCFモデルは鮎川誠だったはずである。そのオルタスがどうかしたのかと書いてしまっては試合放棄のようなものでさっぱり興味の沸かぬところを何とか面白おかしく読ませるのが本職のコラムニストであろう。しかしやっぱりそれがどうしたのオルタスとしか私には返す言葉がないのだ。エイチには何かオルタスに特別な個人的な思い出があってこのようにネタを振ってきたのではないか。中学時代に町内会の盆踊り大会に初めて身につけた男性化粧品、それがオルタス。香りはオルタス。ギアは上から下まで俺のすきなレオでキメまくった永遠の夏、か。知るクソかってんだそんなものとは中々言い返せずまだオルタスねえなどと一応考え込む振りをしている。

 オルタスのCF今一度撮り直すとしたらイメージキャラクターは誰よ。斉藤清六とか。栗貫とか。あまり笑いというものすら考えずに今思いついたのだが。オルタスねえ。オルタスについては中座させてもらって鮎川誠でいこう。マコッちゃんが宣伝してる物なら何でもカッコ良く見えた時代が確かにあったと思う。役者をやらせても台詞は棒読みで何言ってんのかわかんなくても立ち居振舞いが断然カッコイイのだ。ハーフだからか。いやよくあるハーフの格好良さとはもっと油っこくてイヤラシイもの。マイケル富岡とか羽賀賢司とか。ああいうんじゃないしねマコッちゃん。結局育ちの良さからくるものなのだろう。オルタスのCFモデルをしていた頃のマコッちゃんは30代はじめくらいだろうか。最近では西武百貨店のポスターにもうすっかり大人になった愛娘とともにでていた。さすがにちょっとフケたがまだまだカッコイイんである。やや中島らも化しつつもロッカー然として。

 ライブハウスなど近寄らぬOL、大学生などにも人気の出始めた頃マコッちゃんはすでにミドルエイジであった。その為か若さの秘訣は何ですかねなどと女性誌にインタビューされていることも多々あった。マコッちゃんであるからそこは大真面目に「もう一回、もうワンステージ思い切り演ろうっちゅう気持ち。それだけです。」と繰り返し答えていた。もうワンステージ演ろうということらしい。若さの秘訣はあ。ちゅな訳で二年目の夏になだれ込んだ当コラムももうワンステージの気構えで乗り切りたい。本当はそんな向上心あるかい。何だよオルタスってというエイチへの不信感はつのる。何か感じ悪っ。