君ん所の姉さんも太っ腹ブギである

 先日巣鴨駅をブラブラしていた時のことである。森三中のようなルックスのゴツイ女子大生がくわえていた煙草をスニーカーの裏でくちゃ消すとだらあっと息巻いて吸いガラを投げ捨てたのである。一瞬の出来事に我が眼を疑ったものなり。

 やはりというか世も末だなと感じたのだが、実際は世も末でなくて私自身がもう随分な歳なのだろう。若者の素行とかマナーの悪さが目につくというのはそれだけ歳を食っているのだ私のほうが。ま、私のほうはこれからもズルズル老化させてもらうとして若者の、若い娘のオッサン化というのも今後ますますエスカレートしていくことであろう。

 オヤジギャルなどという呼称が登場した十余年前の時点では、ギャンブル場やスタンドバーなどのオヤジのプレイスポットに若いOL達も進出して参りました程度のおののきというより面白がられ方でそうした現象は迎えられていたが。森三中女が煙草の火を靴の裏で消す姿は私には笑えなかった。

 そしてまだまだこんなものじゃ済まなくなるなとも強く予感したのだ。オヤジ以上に泥マッチョな言わば土方ギャルとでも呼べそうな婦女子達がこれから街にあふれ出す嫌な予感がするのである。歩き煙草は当たり前の現在からやがてワンカップ酒やチーカマを路上で飲食する住所不定無職娘は登場すると思うのだ。そういう娘が近所の小学生に写真撮ってあげようかなどと近づきイタズラ事件につながる可能性もありうると思うのだ。

 立ち小便は体の構造上困難としても、道っ端でGパンのベルトを外しパンツを引っぱり上げてまたしまう程度は屁でもない。そうだ屁もガンガンするだろう。学校帰りの電車の中でセーラー服の女子高生が、友だちにねえここんところ何か付いてねえか何か問う。何も付いてねえよと答える友だちにもっとよく見てよこの辺この辺と尻を顔にあてがってブヒッっか何か。そんなのパーティージョーク。寝巻きにサンダルばきでビデオを返しに行く。返すとまたAVコーナーへそそくさと。ゆうべは痛飲し過ぎてヌキそこなった森三中女。AVコーナーに立つとリラックスした為か放屁三連発。最後の方ではむんっなどと剣術師のような居合いまで。ラーメン屋で必ず手に取る袋とじ付きの男性週刊誌から拾った話題でビデオ屋のレジの学生にアプローチす。全く反応が無いとチイッち舌打ちして何も借りずに帰る。帰ったら即行で寝よか何か誰にとも無く声に出して言う。煙草に火をつける。目を細める。スーッか何か言う。やっぱり一本AV借りようかと立ち止まる。スポーツ新聞が自販機の缶バケットに差してある。勿論拾う女。