ペーパーベッドに戻りたいんである

 何となくヌボォッと過ごす以外打つ手ない御時世にツケ込んだ珍商売が今後あれこれ出現するのでは。家の中にスッ転がっていたAV機や古着に値札をブラ下げて売ってるガレージ商なぞよく見かけるようになったし。このォ、こちらのカワセミ書房さんなんかもォそうした業種の方々と肩を並べてらっしゃるのかと怖々思う。あんなにわか商と一緒にされてたまるかいと怒られればますます自分がただミジメになろう。一発百円の殴られ屋でも始めるべきであろう。10分百円のモミ屋なんぞは近所の商店街でも見かける。老人がよくもまれている。なかなか気持ち良さげだ。あんまり気持ち良くて失禁してしまったらどうするのだろう。老人相手の珍商売はその辺も充分考えておかないと至難だ。

 ホームレスの自立のために英国から起きたという街頭で手売りしている新雑誌がある。手売りしているホームレスは何だかもののはずみでうっかり仕事しているようだ。実際全くやる気なさげにボンヤリその場にへたり込んでいるホームレスも見かけた。次に見かけたときは現場マネージャー的な数名の男らにシメ上げられていた。仕事だから仕方ないっちゃ仕方ないのであろうが。でも本来は仕事に全く興味が無く、公演の植え込みの中でダンボールにくるまる事に並ならぬ興味がある人なのだその人は。それをあの手この手で街頭に引っぱり出して働かせているのは果たして人助けであろうか。何となく自分を重ねて考えさせられる問題だ。仕事は無いよりあったほうがいい、ましてやこんな御時世ではどんな小仕事だって早い者勝ちですぞというプレッシャーに小首かしげますけどね。仙台四郎です。

 物書きになりたきゃまず枚数をこなす技量を身につけなきゃ、さあ好きなだけ書けと野に放たれた私こと仙台四郎だったが、この書き物も近々百回を数えるらしい。あか太郎という民話を連想しますね。だが、それをのぞき読む珍客も1ケタながら実在するんである。稿料の話までしてしまうと大体一人百円ぐらいでちょっとイイ話をする計算になる。ちっともイイ話じゃねえやと訪問客がごちろうとも書いてる私には気づかない。一人でも多くの飛び込み客をキャッチするのが目的のHPなので私の書くものはキャッチバーの呼び込みのようなもの。何かやってる気配が伝われば良いのだ。何もやってないのですが。ダンボールにくるまっていたいのですが。一番キツイ時期には代々木公園で寝泊りしてたスターとして有名な奥田瑛二がブレイクした年齢をも今の私は過ぎているのではないか。朝はもう来ないのではないか。百回記念に坊主にでも。