８月のこの場においては私財を投げ売ってでも通うようなことを言っていた「女優・林由美香 追悼特集上映 由美香Ｏｈ Ｍｙ Ｌｏｖｅ！」に結局一度も出かけていない。投げ売る私財など初めからなかったということもあるが。それもあるが上映会場がテアトル新宿、渋谷シネ・ラ・セット、アップリンクファクトリーとどれも本来の成人映画館とは違うところがどうも。
急死した女優を１人でも多くの新たなファンに認識してもらえればという狙いからだろうか。最後の出演作である「ミス・ピーチ巨乳は桃の甘味」を予定通り上映していた上野のピンク映画館ではトークイベントのようなものも急遽行われたようだが。こっちの方が林由美香にとってはホームグランドといえばホームグランドであろう。テアトル新宿のスクリーンに自分の出演作が映るなどとは存命中には夢々思いもよらなかっただろう。思い入れたっぷりの、できる限りのはなむけであり今後このような機会は無いかもしれない。
そりゃ何はなくとも通うべきだ。何故通わなかったのか。実のところ林由美香の出演作をまともに観たことがなかったし、ＡＶも１本も観ていなかったのである。東京の街から名画座やピンク専門館が続々と消滅していると実感したある時期にあらゆる小便映画館をのぞき歩いたことがあり、多分その時に林由美香の出演作も何本か観ていると思うのだが。内容についてはほとんど記憶がない。追悼上映会のフライヤーに並んだ代表作の紹介文を読んでもこれは観たなと思い出す作品は皆無である。でも観ているのかもしれない。
上映作品のインパクトより小屋のインパクトの方が強かったのかと思われる。スクリーンの真横に公衆便所と呼んで差しつかえないレンガ作りのトイレットがあり上映中もひっきりなしに利用客が出入りする。もちろん大小便の臭いと芳香剤の臭いは狭い小屋のなかに充満しきっている。フライドポテトを１食丸々ゴミ箱にゲェと放り投げたのもその頃の記憶のひとつ。そしてまたコミュニケーション欠乏気味の孤独な老人が客席をさまよい歩く不気味な姿もある。
そうしたマイナス要素と向き合いつつ観た数々のピンク映画の内容についての記憶がさっぱり残っていない。そもそも無内容な作品も数知れずあるのだろうが。林由美香の足跡を振り返るならば私ももう一度あの野戦病院のようなゲロゲロ空間に出陣するべきかもしれない。表舞台であのゲロゲロ振りであればその舞台裏なぞまともな神経では生息できなかったはずである。息止めろ、俺も。そんな訳で女優・林由美香とは長いお別れになりそうである。
８月のこの場においては私財を投げ売ってでも通うようなことを言っていた「女優・林由美香 追悼特集上映 由美香Ｏｈ Ｍｙ Ｌｏｖｅ！」に結局一度も出かけていない。投げ売る私財など初めからなかったということもあるが。それもあるが上映会場がテアトル新宿、渋谷シネ・ラ・セット、アップリンクファクトリーとどれも本来の成人映画館とは違うところがどうも。
急死した女優を１人でも多くの新たなファンに認識してもらえればという狙いからだろうか。最後の出演作である「ミス・ピーチ巨乳は桃の甘味」を予定通り上映していた上野のピンク映画館ではトークイベントのようなものも急遽行われたようだが。こっちの方が林由美香にとってはホームグランドといえばホームグランドであろう。テアトル新宿のスクリーンに自分の出演作が映るなどとは存命中には夢々思いもよらなかっただろう。思い入れたっぷりの、できる限りのはなむけであり今後このような機会は無いかもしれない。
そりゃ何はなくとも通うべきだ。何故通わなかったのか。実のところ林由美香の出演作をまともに観たことがなかったし、ＡＶも１本も観ていなかったのである。東京の街から名画座やピンク専門館が続々と消滅していると実感したある時期にあらゆる小便映画館をのぞき歩いたことがあり、多分その時に林由美香の出演作も何本か観ていると思うのだが。内容についてはほとんど記憶がない。追悼上映会のフライヤーに並んだ代表作の紹介文を読んでもこれは観たなと思い出す作品は皆無である。でも観ているのかもしれない。
上映作品のインパクトより小屋のインパクトの方が強かったのかと思われる。スクリーンの真横に公衆便所と呼んで差しつかえないレンガ作りのトイレットがあり上映中もひっきりなしに利用客が出入りする。もちろん大小便の臭いと芳香剤の臭いは狭い小屋のなかに充満しきっている。フライドポテトを１食丸々ゴミ箱にゲェと放り投げたのもその頃の記憶のひとつ。そしてまたコミュニケーション欠乏気味の孤独な老人が客席をさまよい歩く不気味な姿もある。
そうしたマイナス要素と向き合いつつ観た数々のピンク映画の内容についての記憶がさっぱり残っていない。そもそも無内容な作品も数知れずあるのだろうが。林由美香の足跡を振り返るならば私ももう一度あの野戦病院のようなゲロゲロ空間に出陣するべきかもしれない。表舞台であのゲロゲロ振りであればその舞台裏なぞまともな神経では生息できなかったはずである。息止めろ、俺も。そんな訳で女優・林由美香とは長いお別れになりそうである。
