でも、でも何かが違うんである

3月23日、大塚のモスバーガーでクラムチャウダーをすする午前10時。ここにはいつも読売新聞が置いてある。なのでモスは読売系なのかと思い込んでいたのだが王子のモスには毎日新聞が常備してある。が、モスバーガーが昨今赤い外装の赤モスと緑の外装の緑モスにのれん分けしていたことを最近ようやく知った。
また最近再版されたアナーキーの最初のヴィジュアル本である『心の銃』の中にもモスバーガーは登場していたはず。メンバーへのアンケートコーナーで好きな食べ物はとの質問にメンバーのひとりがモスバーガー(和光の俺の先輩が考えた)と答えていたはず。80年代初頭のモスバーガーはまだそんな学生ノリのベンチャー起業のひとコマだったのかも知れない。
いったん家に帰って洗濯なぞ雑事を済ませつつNHK−FMを。普段は鳥羽一郎冠二郎などの濃厚な演歌歌手が出演する歌番組に柏原芳恵がゲストで登場す。毎年この時期になるとあれですね柏原さんなどと司会にふくみ笑いを振られそうですねウフフなぞと返す芳恵ちゃんにハテと思ったがつまりは『春なのに』か。
『春なのに』のヒットがあり教科書に取り上げられそこねたエピソードもありお陰で今も各地の卒業イベントなぞ呼んでもらっているとか。田舎のバカ高の三年生を送る会とか呼んでもらって嫌々歌ってます見返りはありますしとまでは言ってなかったが。皇太子が芳恵ちゃんの大ファンでコンサートにまで公式参観したのも『春なのに』の頃だったか知ら。別に雅子様が可哀そうとか何とか言い始めたら世間には家同士が強引に決めた結婚なんて未だに星の数だろう。けれどあの頃プリンスの眼に芳恵ちゃんがわずかの間も写ることがなかったら小和田雅子さんは小和田雅子さんのままだったのか知らんとも。
芳恵ちゃんはこの春ニューアルバムをリリースしたそうで。久し振りに買って聴いちゃうかな。芳恵ちゃん、芳恵ちゃんて結局お前もファンだったんじゃないのかと。それはそれとして今芳恵ちゃん的魅力を放つ十代、二十代の油っこい妖女群に逢っても何故かピクリともしないのは。芳恵ちゃん型フェロモンに免疫ができてしまったのか我々の世代の無意識下に何時の間にか。雅子様が可哀そう。
昼食を食べに近所のスパゲティ屋に向う途中、書店で何となく手に取った女性週刊誌の中に鈴木ヒロミツの死亡記事を偶然見つけてしまった。享年六十歳と。80年代初頭に再婚した後の家族とは最期まで円満だったとか。80年代初頭の鈴木ヒロミツそういえばノリにノッてたような。バンド合戦に女子プロ中継に。