デカマラ平地並に最低で幸せである

7月18日、阿佐ヶ谷に。駅前商店街にていつものようにととやのクジラメンチを買い食いするつもりだったが今日はマグロコロッケなる新商品に差し替えられている。クジラメンチはもう生産中止ということか。
鯨肉がいつまで食べられるのかなどといった話題もはるか昔に新聞のニュース等から消えた。今では鯨肉を食べることが外交上よろしくないと廃止に動いていた過去なぞ忘れられているのかとも。何の肉でもおかまいなしに食肉する国があっても当然だがそういう国が先進国の仲間入りをするのはどうかとあの頃の日本は問題視されていたのかとも。
そうなると猿の肉も鳩の肉も一般的に食肉されている中華人民共和国などはどうなるのかとも。人民は何を食べても問い質されないのだろうと思う。鯨肉の問題視ってやっぱりケチな嫌がらせだったんじゃないかと。オリビアニュートンジョンも抗議しているなどとの報道も当時は少なからず胸が痛んだ気もするが。
今思えばオリビアニュートンジョンなんていかにもそんな女だ。そんな女とはどんな女かって評判の悪い有力者に私も一杯食わされたみたいなコメントすかさず寄せるB級タレントみたいな女だ。オリビアニュートンジョンなんて十勝花子みたいな女だ。オリビアニュートンジョンなんて渡部絵美みたいな女だ。などと小声でシュプレヒコール上げつつマグロコロッケほおばりながらラピュタへ。
『喜劇 駅前温泉』(62年 東京映画)を観る。森繁が演技とも本気ともつかぬタッチで乳をもんだり脚に吸いついたりするスター女優は大体決まっている。そういう女優とは公私共に息もぴったりに演技プランを交換し合っていたのだろうか当時は。それとも撮影中まったく気が合わず一触即発の間柄であったので本番の際中どこまで芝居で受けるかコノヤロコノヤロと思う存分責めまくっていたのか。今となっては不明だが観てる分にはスリリングで面白い。「お色気ギャクも絶好調」である。
俳優として扱われるのが青年期も終りに近かった頃にあたる武田鉄矢は女優とのラブシーンでは「マジで興奮しちゃうんですわ。グローイング・アップ!」と苦笑していた姿を思い出す。仲が良かったり悪かったりする共演者に本番中イタズラする余裕がある森繁とたまたま女優さんとカラミ合う機会を得た果報に舞い上がって初めからコチコチにグローイング・アップしてしまう武田鉄矢ではどっちが幸せなのだろう。
グローイング・アップしちゃう武田鉄矢を笑っていた20代の私は今ではそのことを複雑に思う。あの頃の武田鉄矢は最低に幸せかと。