花と蜜蜂そんな感じである

最近ほうぼうに出現する激安中古ビデオの店。どう見てもレンタル店流れの映画ビデオを100円、50円、30円とギャグのような安値で叩き売っては風のごとく消えていくそうした店を私も利用している。先だってもそうした店の閉店セールにもぐり込み『ウンタマギルー』を280円で入手した。
89年のパルコ映画で全編沖縄方言の字幕スーパー作品だ。よくよく聞けばわかるようなわからないような沖縄方言に字幕が付くスタイルが当時は「圧倒的オリジナリティで」何やら格好よかった気がする。小林薫演じるぼんくら青年ギルーが友だちの妖怪キムジナーの子供が海でおぼれているところを助ける。と、そのお礼にとキムジナーはギルーに超能力を与え超人ウンタマギルーに再生手術した。
超人になってもまだまだのどかな返還前の沖縄のこと。地主の農場から豚や野菜をパクって貧乏人にバラまいたり独立派のゲリラに肩入れして機関銃を撃ちまくるぐらいしかできない。地域密着型ヒーローとして大衆演劇のモデルになってしまうウンタマギルーの泣きどころは青山知可子演じる妖女マレー。
土地の権力者の囲われものであるマレーは日々屋敷の片隅で阿片を吸ってポカンとしている。権力者は若い頃に去勢されているのでマレーの肢体を風呂で洗ったり寝てる間に太股をなで回したりしてため息をついている。が、阿片でポカポカなマレーは自分が囲われものであることも考えずギルーと密通を楽しむように。
激写モデルとして当時人気だった青山知可子のド迫力ボディが今観てもまぶしい。そのまぶしいボディを何だか弱っちゃったような表情で乳繰る小林薫。はっきり言ってこのショットだけが目当てで当時ロードショーに出かけたことまで思い出した。この後で青山知可子は香港電影に売り飛ばされ人造美女バストロイドとか何とかいったSFポルノに出演したはずだったが現在はどうしているのだろう。妖女マレーは実は豚の化身であったがその後は人造美女を演じた彼女が現在人間の形をしているのかどうか。
戸川純照屋林助もこの時はまだピンピンで楽天主義な感がある。パルコ映画のオシャレ感を今現在の若者に説明するのは難しいのだが。今も説明不要の鮮度があるのは青山知可子のド迫力ボディだけなのだけど決まってそういう立ち位置をもらった人間から消費されてゆく。じゃ青山知可子が石田えりみたいにタフに生き残っていたら今もファンしてたかどうか。「魔法の鏡」は早乙女愛にかぎる私こそが悪魔のいけにえタイプの妖女にしか感じないクリープ野郎と。ニュー乳頭の色。