お姉ちゃんに完敗である

 『月刊松金洋子』のロケ地である大塚駅付近の拳闘ジムの辺りは私もよく散歩する。『月刊』を入手してからすぐにあの拳闘ジムの事が気になりつい出かけた。いつものごとくジムの前の通りには近所の拳キチ親父達が練習生のファイト振りを腕組なぞして見守っている。まるで自身が育ての親であるような拳キチ親父の自己陶酔的ポーズを私もマネて列に加わる。苦々しい表情で腕組しつつも頭の中ではあぁあのマットの上で松金のメガ乳が右に左にぶるんぶるん揺れたのですねと回想し鼻息を荒くしていたのである。拳キチ親父の「そうそう脚使ってぇ、右、右、左っ」などとトレーナー気取りのつぶやきにも私は大きくうなづき、そうだ右、右、左っと当然松金のメガ乳が左右にパンチを繰り出す場面を「空手バカ一代」の実演フィルムのスロー画像のイメージで再生巻き戻ししていたその時のこと。練習生の一人がこんの野郎と言わんばかりの形相で舌打ちしつつ私の方に挑みかかって来るではないか。私は素早く遁走した。が、なぜあの練習生は、あの場に群がる拳キチ達の中から私という別な目的を持った不道徳なヤジ馬に気付いたのであろう。恐らくは『月刊』発売以来ジムの周りのいつもの拳キチ集団の中に私のような者が定期的に一人、二人混ざっていることに気付いたのであろう。勿論練習生の中にも月刊を入手して何だよいってくれりゃあなあと悔しがっている者もいるはずである。まあいってくれたってどうなる訳でもない。現状では。だから早くこの世界でのし上がって人気セクシータレントともタメを張り堂々と付き合えるようになるんだぁ。お前ェは俺の明日なんだぁと、トレーナーが飛ばす激を真に受けた練習生にとってやはり私のような根性無しの害虫男は一発見舞ったろかコラという気にさせるのか知らん。済まん。俺だって応援してるよ。応援してるけど。

 『月刊松金洋子』の次号は『月刊杉本彩』であった。この間の選挙にも見事当選してゆくゆくは総理大臣にもなりかねないっちゅかなる事を期待されている先生とフライデーされた杉本彩ももう35才とか。まだまだイケてるとは思うけど今の杉本の立場を考えると食傷気味か。次期総理の愛人と騒がれる十年選手のセクシータレントには引くかチンピクか。引くのは勝手だがチンピクなら投票所には行くべきなんじゃないの。ハイエナなりの仁義っちゅか。でもんなこと言い出したら誰しもハイエナ男である。松金洋子も高校の部活時代のように息も出来ないくらい忙しく飛び回っていたほうが安全であろう。十年後には名前忘れたけどあの芋姉呼ばわりが大勝利。