色づく街に今ごろ赤面したんである

6月2日、つのだひろの「ミュージックプラザ」に聴き入りつつ自宅でうだうだ過ごす。ウガンダ・トラとショーグンのキーボード奏者が他界したとか。ショーグンといえば芳野藤丸のデビューのきっかけは自分が作ったのだという話に感心したり。何かあのバンドのドラマーは自分の弟子でしてみたいな話何度も聞くなと気づいたり。
ドラムスクールに受講した後にメジャーデビューした者は皆、弟子扱いということもないだろうけどならばどこからが弟子扱いになるのかとも。ぶっちゃけ今現在右肩上がりの活躍をしていてその昔面倒をみた者は弟子も弟子、愛弟子として胸を張りたいだろうし今現在下り坂の暗黒期にあるがその昔はビッグヒットを飛ばした師弟関係にある者には慎重にもなるだろうなと。『失恋レストラン』は素晴らしい名曲なのでリクエストしますと御大にはもう二度と言えそうもない苦い現実。
ちゅなこと思いつつ家を出てJRで新小岩へ。新小岩劇場にてゴキブリコンビナート公演『いつかギトギトする日』を観に行こうと。新小岩駅前の交番に尋ねるとそのような劇場施設は付近にないと言われる。チケットにある問い合わせ先に電話するも「個人宅の留守電だね」であった。つまり新小岩劇場とは公演中だけそう呼ぶことにしたこの付近にあるフリースペースであり開演間近の今は誰もモグリの客の問い合わせなどに応じていられないということか。ゴキコンともなればそのくらい当たり前かとその時やっと気づいた。
今ごろは招待客と各界著名人を含む常連客に迎えられて公演はもう始まっているはずの午後七時過ぎ。私は新小岩駅周辺を無気力にブラつき無気力にセコハンショップや成人ビデオの店などに潜入していた。もはや新小岩劇場に偶然たどり着くことなど期待できなかったのである。ジョン・レノンの最初の妻がツアーに出かけるジョンに同行するはずが駅のホームではぐれた時に自分が彼について行けるのはここまでなのだなと痛感したというエピソードを思い出した。
ゴキコンの主宰者、Drエクアドル氏に私は15年前、小さな劇団で小さな役をもらって過酷なパシリに耐えていた。私はそれ以降の演劇シーンにまったく無知だがそれでもゴキコンくらいは知っていてエクアドル氏は当時の仲間の中では出世頭でないのみたいなことを勝手に思っていた。アイドル歌手とたまたま同じ中学を卒業したことを自己紹介にかならずねじ込むそれがどした男と変わらぬ無様さに今ごろ気づいてしまって。ゴキコンに対しては今後は関連グッズを購入するのみにとどまるべきだとジュリアン・レノンに誓う。