エミリーにバラをなんである

 私は今より10年くらい前にバイト先の友人達と趣味の映画サークル活動をしていたのだが当時そのサークル内で書いていた全ページ直筆コピー刷りの会員以外誰も読まないファンジンが今手元にある。

 自分の所だけ読み返してみたが、あまり文章力には進歩は無い。観る映画の傾向もあまり変化は無い。10年前が今でも「血を吸う宇宙」のような映画には1人でエールを送ったろうし、「千年の恋」はギャグで観たとしても「Laundry<ランドリー>」は無視しただろう。

それは良いとして気になるのは映画や演劇に関係なく近頃はっきりいって夢中なグラビアアイドルや業界モデルやAVギャルへの手前ェ勝手にほてりきった文章が、10年前の自分の得意技だったのに今はそうしたものを書いてないなということである。書いてたらいよいよ救いようの無い最終オタクと呼ばれる事になるかもしれない。

 エイチに以前そのファンジンを盗み見された事があったが、私の書いた「今年ヌードになって欲しいグラビアアイドルベスト5」なる当時の文章にすかさず鼻をつまみ、お前最低、こんなしょぼい媒体でこんなことやってるお前最低と嫌悪感をあらわにしたのを憶えている。

 確かにエイチの言う通りだったのかも知れない。時が経ち今は私にこうした小さな媒体を与えてくれたエイチに私は10年越しのエロネタを精魂こめて贈ろうかと改めて思う。

 

 吉川エミリーというモデルを読者諸兄はご存知だろうか。週刊現代週刊ポスト等のトノス薬品の広告にテレビ、ラジオでも活躍中の当社のキャンペーンガールとしてお色気を振りまく彼女である。彼女、吉川エミリーはキャンギャルの他に野村誠一のカメラによる写真集も出版している。そしてアダルトビデオにも出演しているドミニカ共和国と日本国共同制作による売出し中の22歳の混血モデルである。

 その活動振りも時代を反映していてエグい面はエグいだけエグく、ポエジーな面は下手なアイドルより愛くるしい。要するにどんな場所でもやれるだけの事はやってどこから火が点いてもそこから一気に昇りつめたる的なやけっぱちの戦略があるのだろう。私は現在まだ吉川エミリーの写真集は持っていてもAVは未見なのだが、彼女観たさにDVDプレイヤーを購入する為のエミリー貯金を始めた段階である。AV界では恐らく真木ようこ以来の衝撃なんである。まだパッケージを手にとっただけだが。吉川エミリーは今後どんな展開を見せてくれるのか。やはりどんなにマイナーでも良いからなるべく本人の感性にそった一編の桃色映画か、企画物宴会ソングの一つも残して欲しい。