折り入ってちょっと話したいんである

 ピンクレディーはプール付きの豪邸に住んでいるわけではない。だからジャパニーズドリームは無いなどとは言い切れないだろうが。それにしてもピンクレディーのおしゃれセット、お風呂セットに限らず数々のヒット商品の何%か知れぬがただってこともなかろうロイヤリティーは一体何処へ消えたのか。いいじゃないの人の金だものと言われればそれまでだがやはり気になるものだ。アメリカ進出の軍資金に全てブッ込んでしまったとも考えられる。とにもかくにも結局は負け戦だったのである。今、ピンクレディーを簡単には再結成再始動できないのは巨額の負債も含めてバックアップしますなどと誰も手を上げたりしないからであろう。

 ところでエイチは相変わらずのパトロン気取りである。名ばかりの出資者という事もなくて一応原稿料もくれる。図書券とビール券とエロ本の切抜きが数枚毎月送られてくる。何となく暴力団に脅されて商店街のお祭りステージに立っていた頃のジョニー大倉の心境である。しかし私のこのコラムというかコラムニストを目指してのファーム文芸も後二ヶ月である。その後は未定である。エイチはまた温泉に誘ってくれた。私も温泉は乗り気である。が、二年目のジョニー大倉は断るつもりだ。図書券がおこめ券に変わったとしても嫌である。自分が嫌になりかけている。

 中学時代にモジュラーステレオにマイクミキシングしつつEP盤を回してOKお次もご機嫌なナンバーをお届けするぜイなどと一人DJにふけってた頃を思い出したのだ。で、その当時の私が担当したつもりになっていた番組のオープニングが「MrBOOのテーマ」だったことも今思い出して悲しいのだ。作りのハガキをちゃんとボール紙にハガキ大に切っていたことも思い出して悲しいのだ。そしてそうして作成した私のおもしろDJを本当に面白い。もっと聞かせてくれやとせがんできたのはクラスでも指折りの劣等性二名だった事実。残り二ヶ月の付き合いだから書いてしまうがどうも状況は当時と似ているようだ。つまりこのコラムは中学時代の私のおもしろDJの大人版ではないかと思うのだ。そして言いにくい事だが今この小文を読んでいる人々も当時の劣等性約二名の現代版ではないかと思うのだ。で、そうしたあまりに物好きな方々にあっては私はみにくいアヒルのコのままが良いのかスワンに成長して欲しいのか、んな事はどうでも良いのか私にはわからない。が、確実に言えるのは年内で終了する当欄に別にオチはないということだ。オチはないですよ。オチ期待しないように。サゲも。