黄色い世界にナウオンセールである

 花粉症のお陰で春なんてうっとおしいだけの季節になってしまって久しい。あの新造人間キャシャーンみたいな防粉マスクも大体十人に一人位で使用するようになったようである。キャシャーン位じゃ気が休まらない人はもうゴーグル行っちゃうでしょ。あれも皆で付けりゃいいのにねオシャレ感覚で。グッチのゴーグルとか出たら買うでしょ皆。
 ゴーグルでもまだ気が休まらない人はもう潜水服みたいなガラス玉すっぽりかぶりたいんじゃなかろうか。かぶっちゃおう。かぶっていい、やれって感じ。キャシャーンが十人に一人の昨今なら大丈夫でしょ。潜水夫スタイルの完全な防粉マスク売れば当たりますよ。王様のアイデア扱いしないで考えてくれるメディカル企業は何処ぞにないものか。なんとなく自分が真っ先に潜水夫化して街に飛び出したい気分なのだ。
 付け乳首ブームの空洞化にシラケた今の自分を笑い飛ばす意味でも。どうなの付けチク。仕組まれかけた没流行でしょ。王様のアイデア一丁ガミなのか知らん。何となくつながり感じるのだが。棺桶の上をドラキュラの手がコインをたぐり寄せる貯金箱や一本いただきかけるとピシャリとバネで指先を叩かれるイテテ煙草。ああいうモノをふた昔前に乱造していたアイデア商人が今何作っているかったら。付けチク作ってんじゃないすか。どこまでもそのレベルで悪戦苦闘し続けて、ねぇ。
 あまり応援したくはないがここらで一通りの歴史を振り返ってみたい気も。ブーブークッションなんぞ私の記憶ではやはり70年代半ばに登場したような気がするが、案外歴史は深いのか。鼻メガネみたいに戦前からあったり。知恵の輪なんてのも少年時代の私の身内に頼っても知恵では解いてもらえなかった。知恵の使い方をレクチャーして欲しかったのだが知恵以外の腕力や生切り、モンキーレンチなどで解いた悲しき知恵の輪が今もまぶたに焼き付いています。自分は恐らく一生こんなドボチョン一家の中で大人に成長していくほかないのだなと。ま、幸い一家は離散したが。
 しかしブーブークッションから付けチクまでを生産し続けるファミリーの結束は固いのでしょうな。恐らくもう親子三代位のリレーでもって数々の珍商品を売り出しちゃあコケを繰り返しているのだろう。さしあたって今現在は付けチクの上を行く珍商品を。ポスト付けチクをひねり出している所だと思われる。ポスト付けチク何ですか社長。花粉症に一度は苦しんでみたいノンケの人達に向けて付け涙、付け鼻汁などは。付けタン全三色要冷蔵で一週間以内にお届け。