それは禁じられた遊びなんである

 12月26日、神保町に髪を切りに行く。特に好ましい美容院でもなく、全国チェーンのいわゆる激安カットの店である。どうも激安体質が身に染み付いたよう。朝は激安コーヒーをすすり、夜は激安スタンドで肉うどんを。DVD付きの激安アダルト雑誌などもついそそくさとコンビニのレジに。しかし私が現在通うこの激安カットの店は当初結構なお洒落のつもりだったのだ。
 じゃあその前はどこで散髪を済ませていたのかというと、もっと安くてプアな千三百円で散髪できる鬼安な髪床を利用していたのである。ま、髪も一年中短くしていたし。そうして自分としては人並みにお洒落さんになったつもりのこの店が、実は美容界のジーンズメイトの様なエコノミークラスの店だとわかっても尚、通い続けています。今の収入では激安通いから脱出できそうにないのが理由の一つ。
 それともう一つ。私が初めてこの店に来店した時にたまたま担当してくれた女先生が実に感じ良かったからである。お前の言う感じ良い悪いは多分、エロいエロくないと直訳して差し支えございません。けれど激安カットの店で働く女先生の中には、自分はエロで売ってますからとはっきり自覚している方々も少なくないはずと思う。
 で、エロの方々の場合カットする際の密着ぶりがまず違う。シャンプーの時の湯加減の計り方も違う。顔面にタオルをかぶせられているので判断しにくいが、何かやわらかな肉の厚みが私の首筋辺りにむにむにと触れるのである。むにむにの正体は私が普段から性差別者並にこだわっている物なのではないか。こんなサービスが中高生でも利用できる店で許されていいのか。
 やはり何と言うかギリギリの極々の勝負とみえてエロ系の女先生はすぐ店を移動してしまう。本音を言えばどこの支店に飛ばされたのか聞き出してそっちに通いたいくらいだ。それともそうしたサービスをまったく自分のいい様にいい様に解釈した利用客がそれでいつ俺と関係を持ちたいのなどと押しかけたり。
 スマートじゃありませんな。私は違う。私はエロ系の女先生の艶技と好奇心をどこまでも泳がせたいと思う。また泳ぐしね女先生も。何してもヌボーッとすまして無反応な客にはエロ魂が疼くのか。何となくスケベ教師のオモチャにされる女子中学生の気分である。女教師とか女美容師とか特定の職業の女性を題材にした成人映画は製作しにくい昨今らしいが。修学旅行のバスガイドに初めて大人の女を見つけたりしてた私世代と、月イチでエロ系美容師に自分からいたずらされている若造のこの違い。