ダメージグッドな黄色い汗である

 7月13日、大塚駅前のドトールでコーヒーをすすり図書館へ向う。途中の松屋でカレーでもどうかと思ったが昼時でもう満席。その周りを立って待つ人もいて少しおののく。と、大学生位の地味な服装の男子が自動ドアの前で泣きくずれそうな様子で肩を落として走り去る姿が。今日のお昼はどうしても松屋、もうそれ以外考えられない、松屋以外絶対と思い込んでいた人々が確かにその日その場にキャパ120%位集結して20%位の人々がおあずけをくらい5%位の人が泣きそうな顔であきらめて帰ったと。
 ただそれだけのことか知らんと私は思いその場を去ったが。が、松屋松屋とこだわる彼等は果たしてこの界隈に他のうまいもの屋を知ってるのだろうか。松屋のカレーだけがカレーじゃないんですよ。この辺りには本格カレーハウスのトプカだってあるんですからね。トプカ知らないで松屋スープカレーに異国情緒感じてるのボクら?などとグルメ風吹かせつつトプカの前に立つと店は閉っている。
 カーテンは開いているが店内に人影はなく看板は無造作に店内に放置され店のフライヤーが床に散乱している。これは典型的なエスケイプでは。この新大塚近くのトプカは確か支店だったと思うが本店もろとも現在エスケイプ中なのか。値段も手頃でセンシティブなワザ者の店というのは今の時代苦境に立たされやすいもの。トプカも敗退かァと思い、案外研修旅行か何かでバタバタと店を空けてるだけかもなとも思い図書館裏の日本そば屋でカレー丼を。
 それから図書館で岩松了の『テレビデイズ』を読む。巻末の竹中直人岩松了との対談の中で芝居の稽古中、忙しくて台詞の入ってない椎名結平を演出家より先に怒っちゃってヤバイと思った竹中が演出の岩松を恐る恐る見ると岩松は台本で顔を隠し巻き込まれたくなさ気だった話に笑う。しかし演者全員で共通の空気を作っていくようなゆったりとスリリングな岩松舞台の台詞を他の仕事の合い間に少しづつ消化してもいざ合わせるとなるとしどろもどろというのはわかる気がする。椎名結平も大変なんだ、いや大変だったんだと始めて思ったり。
 そしてその日の晩。何となく体がだるく巣鴨のサウナビルに向う途中。コンビニで甲斐智枝美の死亡記事が一面のサンケイスポーツに直面してしまう私。チェミィがなんでとか、何かの間違いであってくれればとか半分芝居してるような心持ちでサウナ室へ。チェミィがあんなことになってもちっともヤケにならないんだ。それどころかサウナでひと汗かいてビールをキュッとか、わかったと私の中の天使の配役は三原順子