私のMEGUMIは何処やらである

 大体30代も中ほどになれば中高生向けのグラビア雑誌などそう読まないし、バラエティー番組も私なぞはほとんど見ない。そのせいでちょっと気になるグラビアモデルとの出逢いの場は唯一電車の中吊り広告に限られるのである。当然モデルのパッと見以外何もこちらはわからない。ロリ顔で好みだニャーとかいい体してからにとか内心甘酸っぱいものがこみ上げるのを感じつつモデルの娘の名前をこっそり覚えて帰ったりする。んな事ニキビ面の10代からコツコツ繰り返しているが、不思議とこれまで後悔はなかった。が、やはり私ももはや若くないのである。

 あどけないルックスのモデルの中にたぎる野心というか土性骨のゴツさにビビってとてもじゃないが淋しい夜のオカズになんぞできない時がついに来たんである。オカズも喉を通らなきゃ人間終りである。私のオスとしての生命力にそろそろガス欠じゃないですかとイエローカードを差し出したその人の名はMEGUMIである。

 できれば同世代の自分はまだ健康だと思える男性から「MEGUMIは俺も駄目だなあ」と賛同を得られれば私も医者に相談せずに済むのだがどうだろうか。中吊り広告の童顔グラマラスぶりに圧倒されて10年振りくらいにその類のグラビアアイドルのプロモビデオを入手してしまったんである。勿論本人の素のしゃべりを一度も観ていなかったのだその時点では。内容を見てガク然とした。グラビアの中のMEGUMIに私は迷える子羊のようなラムジーな印象を抱いていた。が、子羊どころか猛牛なんであるこの女。

 無論私一人が手前ェ勝手に夢みた幻である。MEGUMIの素のしゃべりが野太い声ではきはき話す新社会人そのものだったからといって何ら彼女に非は無い。文字通りMEGUMIはグラビア界に就職したのである。ビデオの中で意味も無くバンジージャンプに挑戦するのもちょいキツめ新人研修みたいなものだろう。もしかすると武田久美子の貝ガラビキニみたいな試練を突きつけられて、あの野太い声でそれにはハッキリNOを出した後に何故かバンジーで一件落着になったのかもしれない。そうした渡り合いも、自分とはひと回りも二回りも年上の大人達と充分こなせそうなタフネスぶりである。タイプ的に山口智子江角マキコに近いと思う。つまり私のミスチョイスだったのです。生き方の違いを見落としたまま気付かず気安く口笛吹くようなマネして赤っ恥である。MEGUMIクンの今後に期待。マジで山口智子江角マキコくらいいくと思う。その主演ドラマを心待ちにしようぜ。