2004-01-01から1年間の記事一覧

埃にまみれた人形みたいである

つい最近店頭に並んだ食玩は懐かしアニメでも特撮でもなく家庭。昭和40年代のとある郊外の中流以下の一軒家のプラモという来るところまで来たキラー球。プラスチックのフタが付いた汲み取り式便所だとか思わずその場にへたり込んで苦笑してしまった私だった…

もう何も覚えていたくないんである

日劇で開催中の―日劇文化とATGの時代―にて岡本喜八監督の「肉弾」を初めて観た。以前に蛭子能収の漫画の中で、青春時代に通いつめたパチンコ屋には台の調子が悪いと上から「どうかしました?」と顔をのぞかせるお姉ちゃんがいてそのお姉ちゃんが「肉弾」の大…

私がオシメ替えてやったんである

ここ四、五年の現象として古書業界の売り手にも買い手にもごく若い普通の女性が参入してきていると聞く。本当にそうみたいだなと私も実感する。古本街に足を運ぶのはそう多い方ではないが神保町の古書ビルの狭い階段ですれ違う若い女の娘達はひと昔に比べれ…

始まりは大きなお世話である

池袋シネマサンシャインにて望月太郎監督作品「かまち」を観る。山田かまち役にはダンスユニット、Leadの谷内伸也が選ばれた。選ばれたのか。逆に谷内伸也の顔と名前を売る為に山田かまちの「伝説」が選ばれたのではないか。私は山田かまちの詩と水彩画のフ…

思い出位はお金で買いたいんである

エイチはまた温泉にでもと誘ってはくれるが私は飽きてきました。温泉に飽きたというよりも旅に飽きました。飽きたのではなく本当に素晴らしい景色にまだ触れたことが無いのだよそれはと言われればそうかもしれませんが、ねえ。大体あの旅というものがフルオ…

日本人ならラリルレロである

武豊が乗ってもやっぱり駄目だったという駄馬中の駄馬ハルウララに私も少し興味がわいてしまった。競馬なぞ全く知らないのに。どうしてか日本人は駄馬的なものに弱いのではないか。日本人はラリルレロに弱いんでねと言ったのは大島渚である。それは映画のタ…

一年坊主は見たんである

アダルト業界の人間でもないのにストリップ小屋のことを劇場なんて言うとおかしいかも知れないが。まんまこの間行きつけのストリップ小屋でなどと書けば完全にこれ便所の落書き然としてしまうので許されたし。劇場行ってきたのよ。「セクシャルバイオレッドN…

ペーパーベッドに戻りたいんである

何となくヌボォッと過ごす以外打つ手ない御時世にツケ込んだ珍商売が今後あれこれ出現するのでは。家の中にスッ転がっていたAV機や古着に値札をブラ下げて売ってるガレージ商なぞよく見かけるようになったし。このォ、こちらのカワセミ書房さんなんかもォそ…

偉い人は一目見りゃわかるんである

岩波ホールに「美しい夏キリシマ」を観に行った時のこと。そろそろ上映開始という時になって支配人と名乗る男性がマイクを握ってあいさつを始めた。ひょっとしてフィルムに何かトラブルがと思えばそうではなくて黒木和雄監督がブラリと来館するという嬉しい…

無論人生はおかわりできないんである

テアトル新宿にてホン・サンス監督「気まぐれな唇」を観る。2002年にアジア太平洋映画祭監督賞を受賞した韓国産のライトポルノである。それで太平洋か。実際本作は70年代の三流エロ劇画的ムサイ助平臭が漂う。主人公ギョンスは仕事にあぶれた俳優である。宮…

思い出のボロボロ待ちである

上野のバイクショップ街の外れっ端にあるその喫茶店に私はまだ入ったことがない。喫茶店というよりコーヒー屋、珈琲店と呼ぶべきだろう。そのくらいガードが固い玄人向けの店なのである。店の入口には大きな模造紙の貼り書きがある。街金の取り立てではない…

あの布コードが何かイヤラシイんである

食玩。古くはグリコのおまけ付きから始まり今日に至るプラ玩具付きのお菓子。あれも近頃では行きつくところまで行きついたようなエスカレート振りっちゅか完成度異様に高くて参る。大人が真剣に集めたがるのもわかるよなァと仮面ライダーのサイクロン桜島モ…

縁起悪くて申し訳も無いんである

年が明けてフラリと寄ってみたら去年いっぱいで閉店していた飲食店なぞ結構ありますな。私の場合、心の止まり木のように慣れ親しみはじめた矢先にその店が閉店するという妙なジンクスがある。店だけでなく小劇場だとか髪床だとかヘルスケア全般の利用施設が…

十五年振りのあの湿り気である

本当に大ヒット上映中じゃないか。犬童一心監督作品「ジョゼと虎と魚たち」。貧しき長屋に祖母と二人暮しの車椅子の少女ジョゼとひょんなきっかけからその家に出入りし始めたごく普通の大学生との短きメモリアル。主演の池脇千鶴が文学好きの陰気なメルヘン…

それじゃ月曜ドラマランドである

邦画界の新たなるトレンドは往年の人気こどもアニメの実写版であるらしい。実際にはまだどの作品もヒットはしていないのであるから、トレンドもチョーチンもないと思うのだが。サトエリの「キューティ・ハニー」に香取信吾の「忍者ハットリくん」と「デビル…

ティーンの為の秘密基地なんである

正月は郷里である茨城県鹿島市へ。正確には郷里ではなく年寄ってきた両親がごく最近移り住んだ土地である。毎年のように一晩泊まった翌朝は海が近いのが私には珍しいので一人とぼとぼ散歩してみる。そして帰りは必ず迷子になる。稲川淳二のアトリエがあると…